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UPDATE|2021/02/13

ビッグダディの娘からレスラーへ…林下詩美が語る苦悩からの脱却「SNSでいろいろ言われて…」

林下詩美 写真提供/スターダム 



この特異な経験から生まれたメンタルと、柔道初段の実績がリング上で見事に融合し、2018年8月にプロレスデビューするや破竹の快進撃。デビューからわずか2年半でじつに6本ものベルトを戴冠し、年に一度のシングル、タッグのリーグ戦もすでに制覇済み。こう書くと順風満帆だったように見えるかもしれないが、本人にとっては「たくさんの試練と壁があった」という。

「ただの新人なのに『ビッグダディの娘』ということで注目されてしまう。周りが期待する以上の結果を残さなくてはいけない、というプレッシャーは大きかったですね。特にはじめてベルトを巻いてからは、より強く感じるようになりました。

あと、これは私にしかわからないことですけど、SNSでもいろいろ言われることが多かったので……本当に壁はたくさんあったし、苦しい時期もありましたけど、そこはもう努力して乗り越えていくしかないし、けっして順調ではなかったです」

こうしてたくさんの苦悩をひとつひとつ乗り越えていくうちに、いつしか、プロレスファンは『ビッグダディの娘』というフィルターなしで試合を見てくれるようになっていった。いちプロレスラー・林下詩美として評価し、期待し、応援してくれるようになったのだ。

しかし、今回の日本武道館進出のように、プロレスファン以外の人たちにもアピールしていかなくてはいけない局面では、まだまだ『ビッグダディの娘』という看板は大きい。彼女の「その後」を知らない人にとって、プロレスラーになって、最高峰のチャンピオンベルトを巻いて、日本武道館で防衛戦をおこなう、という「現実」はすべて驚きにつながるからだ。

AUTHOR

小島 和宏


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