FOLLOW US

UPDATE|2021/03/07

井上咲楽が維新の会・馬場伸幸幹事長に聞く、もっとも“簡単”な「大阪都構想の話」

左から馬場伸幸、井上咲楽 撮影/荻原大志



馬場 今もお話したように、都構想は目的じゃなく、手段です。大元にあるのは統治機構改革で、我々はその山の頂上へ行くことは絶対に諦めへん。ただ、大阪都構想の住民投票というのは、登山道で言えば、キッツイ、キッツイ、ルートやった。今後は誰しもが登りやすいルートを開拓していきましょうか、と。そういう方針で、去年から動き出しています。

井上 確かに、住民投票の結果を細かく見ると、世代によっては意図がうまく伝わっていなかったようにも思えました。

馬場 実は住民投票に対する反応は、1回目と2回目では大きく違いました。1回目は、橋下徹さんがおって、やっぱりそのイメージはむちゃくちゃ強いですからね。何でもぶっ壊しよるミスターデストロイヤーやで、都構想って何すんねん? と。年配の人らはややこしいことやめてみたいな反応があり、若い人らには橋下徹が大阪の将来をよくしてくれるんちゃうかなという期待感があった。そっから5年たって、松井一郎市長・吉村洋文府知事の体制に変わって、この2人は実績を積み上げてきたのね。大阪府立大学と大阪市立大学を経営統合しました。府立と市立の病院も一緒にしましょう。訳の分からない施設は全部統合していきましょう、と。そうやって生み出された財源を、今まであんまり光が当たらなかった子育て世代、若者世代にどんどん使い出したわけ。今まで納税した税金が還元されへんかった若年層に向けて。

井上 すごい。

馬場 だから大阪では、私立高校の授業料も完全無償化、中学生には進学塾や習い事の支払いに使える1カ月1万円の習い事クーポン券を支給。中学校の給食の完全実施、それも無料。保育園も無料。経営統合される大学も授業料無償にするという方向で検討中です。だから、若い世代からの支持はさらに高まっていたんですよ。

井上 そうなんですね。

馬場 人生の中で、どの時期に一番お金がかかるかと考えたら、子どもが成長して中高大と進学する間。その子育て世代をサポートすれば、もっと経済もようなるわけ。これを大阪だけでなく、全国に広げていきたい。最近、私がこういう話をさせてもらうときに言っているのは「可処分所得倍増計画」です。

井上 可処分所得って何ですか?

CREDIT

取材・文/佐口賢作 撮影/荻原大志


RECOMMENDED おすすめの記事