ハロー!プロジェクトのアンジュルムを2016年に卒業し、以降はTRUMPシリーズのミュージカル『マリーゴールド』で主演、『ウエスト・サイド・ストーリー』でマリア役を務めるなど、ミュージカル女優・歌手として活躍する田村芽実。
そんな田村の新たなる挑戦が、自身で企画・主催・主演するソロミュージカル『ひめ・ごと』だ。予算の問題や新型コロナウイルス感染拡大防止の影響を受け、何度も熟考を重ねた結果、クラウドファンディングという手法を採用。開始5分程度で目標金額150万円を達成し、最終的には2800万円を集めたことで話題を呼んだ。
コロナ禍、田村は何を考えソロミュージカルの始動に踏み切ったのか。その思いを聞いた。（前後編の前編）
【写真】渾身のプロジェクトへの思いを語る、女優・田村芽実 新型コロナが、いまだに世界中で猛威を振るっている。エンタメ業界の中でも、もっとも激しくダメージを受けたと指摘されるのが舞台やミュージカルだ。そんな逆境の中、女優・田村芽実は悲願のソロミュージカル『ひめ・ごと』開催へ向けてクラウドファンディング実施を決意。目標金額1,500,000円に対して支援額28,178,000円を集め、大きな話題を呼んだ。一体、彼女はコロナの問題とどう向き合ってきたのか？
「コロナの影響はものすごく大きかったです。私自身、出演予定だった作品が中止になってしまったり、昨年下半期に積極的にやっていこうと考えていた音楽活動もまったくできませんでした。本当に落ち込みましたね。何もお仕事がないと、家でいろいろ考えこんじゃうんです。芸能界から離れることも真剣に考えましたしもう地元でお見合いして結婚しようとか、思い詰めていました」（田村芽実、以下同）
舞台に立ちたいという気持ちはもちろんある。だがコロナ禍で客に外出を促し会場まで足を運んでもらうのは、それだけでもリスクが伴う行為だ。感染するかもしれないのに「劇場に来てください」と言い切れるほど、自分は何かを届けられる人間なのか？ 田村は家にこもりながら自問自答を続けていたという。
「去年の前半は本当に何もすることのない生活をしていましたからね。1つもお仕事がない月もありました。歌ってアスリートみたいなところがあって、常に鍛錬していないとダメなんです。声帯も筋肉なので、いつも歌っていないと衰えてしまう。同様にダンスも踊ることをやめたら、あっという間に退化していく。だから休んでいる期間でも身体は動かさなくてはいけない。そういうことが頭では分かっているんですけど、精神的に弱っちゃうと行動に移せないんですよね。『映画を観なきゃ』『本を読まなきゃ』というのも考えたけど、自粛期間中はそのパワーすらもなくなっていました」
