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UPDATE|2021/03/04

池脇千鶴主演『その女、ジルバ』品川徹に聞く「人生一度でいいから、夢中になれることに出会えるといいのかな」

蛇ノ目幸吉(品川徹)、アララ(池脇千鶴)


――ジムはいつぐらいから始められましたか?

品川 ジムに行き出したのは70歳になってから。仕方がないこととはいえ、老化していくことが嫌だと思ったのがきっかけです。でも、大道具の仕事をしていたこともあり、体を動かすのはわりと好きでした。劇団『転形劇場』にいた40代の頃はずっとヨガをやっていました。

――食生活なども、体のために気を付けられていらっしゃいますか?

品川 僕は一応自分で料理をしますが、才能はないみたいで美味しいと思う物が作れない(苦笑)。スーパーのお惣菜に頼ってしまうこともあります。

――趣味などお聞きしてもよろしいでしょうか。

品川 昔から映画を観るのが大好きです。好きな監督はたくさんいますが、一番はアンドレイ・タルコフスキーです。すべての作品が好きですが、『僕の村は戦場だった』がお勧めかな。あとは日曜大工が趣味です。

――『その女、ジルバ』に出演して良かったと思うことは?

品川 バーのマスターという、格好のいい役は久しぶりでした。最近は病院のベッドにずっと寝ているとか、そのような老人役が多くてね(笑)。しかも僕のイメージなのか、真面目で頑固という、どちらかといえば硬い感じの役が多いので、白い巨塔の大河内教授に代表されるような。幸吉のような朗らかでユーモアのある役はとても珍しくて楽しかった。新にダンスを教えてあげるシーン(第2話)は、ユーモアもあって印象に残っています。

――ダンスといえば、今回のダンス指導の先生から、「大変熱心に稽古されていた」と伺いました。

品川 実は30代の頃に、映画『Shall we ダンス?』ではないですが、街のダンス教室に通っていたことがあり、女性の先生に社交ダンスを教えてもらっていました。上手な方と踊ると不思議と体が軽くなる感覚があり、自分も上手になった気がして一時期ハマりましたよ。今回、ダンスのシーンが何度か出てきて、昔を思い出して踊ったつもりでしたが、ちゃんとできていたかと少し不安です。でも、とても楽しかったです。

――俳優人生も60年を超える大ベテランでいらっしゃいますが、生涯現役でいる秘訣があれば、教えてください。

品川 何事も興味を持ったら試してみる気持ちが大事なのかな。僕は昔、太田省吾さん(劇作家・演出家・劇団「転形劇場」主宰)に出会い、一緒に劇団「転形劇場」で16年舞台をやってきました。太田は“沈黙劇”という独特な表現で劇団が海外で評価を受けるようになり、ロンドンやパリ、ニューヨークなど、海外の演劇祭に招待されていろんな都市に行きました。海外のお客さんの反応が興味深く、公演に出演するのは毎回楽しかったです。そんな体験を経て、気付くとこの仕事をずっと続けていました。自分の俳優のベースは舞台で培ったものですね。生涯現役のような目標を僕自身は掲げていませんが、人生一度でいいから何か夢中になれることに出会えるといいのかな。でも、俳優業で生活できるようになるまで、ずいぶん時間がかかりましたけれどもね(笑)

――最終回まであと2話を残すのみとなりました。視聴者の皆さまにメッセージをお願いいたします。

品川 新のように前向きに生きていれば、願いは必ず叶えられると思います。夢を諦めないでください。そのようなメッセージが、このドラマにも詰まっていると思います。最後まで楽しんでご覧ください。

◆第9話あらすじ(3月6日放送)
スミレ(江口のりこ)の結婚パーティーの夜、突然くじらママ(草笛光子)が倒れ、「OLD JACK&ROSE」は騒然。検査の結果ただの飲みすぎだとわかり、胸をなでおろす新(池脇千鶴)だったが、きら子は腰を強く打っていたため、念のため店の一室で新が看病することに。すると連鎖するように、エリー(中田喜子)やナマコ(久本雅美)ら店のメンバーが相次いで調子を崩してしまう。そんなピンチの中、颯爽と現れたのはあの人物だった…。

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