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UPDATE|2021/03/22

「『この世界にいていいんだ』って思った」俳優・ゆうたろうが涙を流した日

ゆうたろう 撮影/友野雄



――ゆうたろうさん自身、俳優として「成長」を感じた場面はありますか?

ゆうたろう 俳優を始めたころは"モデルのゆうたろう"を見て声をかけていただけることがあって、中性的だったり実写だけどキャラクターっぽい役を演じることが多かったんです。でも、2年前くらいから、ちょっとクールな役も演じさせていただくことが増えて。演じることが難しくて壁にぶつかることもあったんですが、「あ、これはたぶん一皮むけるときだ」と感じる瞬間が多かったです。特に舞台「みみばしる」(2019年公演)に出演させていただいたとき、僕とはかけ離れている20代後半くらいの役を演じることになって、最初は「え、これ僕なの?」と正直思ったんですよ。でも、演出の松居(大悟=劇団ゴジゲン主宰)さんが「今までゆうたろうがしたことないような顔が見たい」って言ってくださったんです。そのとき、初めて役者の一人として認められたなと思いました。その頃から、他の作品を観ていて「この子にはまだ勝てない」と悔しいと思うことも増えて、どうすれば勝てるのか研究したり、闘志が出てきて。そこから、積極的にオーディションを受ける機会も増えましたし、ちょっとずつ選考に残ることが増えました。

――他に印象的だった作品はありますか?

ゆうたろう 『KBOYS』(2018年放送・朝日放送テレビ)は、半年ぐらい共演者のみんなと一丸となって頑張ったし、マジで2回くらい辞めたくなったときもありました(笑)。ダンスレッスンのときにスタッフの方に「遊びに来てるわけじゃないんだから。もちろん仲良くなることはいいと思うけどそれをここでやっちゃうと皆で撮影する意味がなくなっちゃうよ。ダンスが踊れないんだったらダンスを踊れる子に演技を教えればいい」と注意されたことがあったんです。オーディションで選んでいただいた身からして申し訳ないなと思うけど、その言葉がすっごい悔しくて。もう辞めようかなと思ったんですが、みんなと話し合って「ここで負けたらもうこの作品は終わっちゃうから、最後全部終わってからあのスタッフさんに想いをぶつけようぜ」と堪えました。たぶん僕1人だったら逃げ出してたと思います。それに、全撮影が終わった後の打ち上げで監督の三島(有紀子)さんから手紙をもらって。そこには「正直ゆうたろうは顔で選びました」 みたいなことが書いてあって、自分でも「そっか……」と思ったんですけど「でも、一番成長して伸びしろがあったのはあなたです」とも言ってもらえたんです。すごく短い文章だったんですけど、「頑張って良かったな」ってじんわりといろいろ噛み締めながら読んでいました。今でもお芝居で躓いたり、悩んだときは三島さんの手紙を読み返してます。

【つづけて読む】『青きヴァンパイアの悩み』で話題のイケメン俳優・ゆうたろうの恋愛観「勝手に失恋してたんです」

▽ゆうたろう
2016年、ショップ店員から“可愛すぎる美少年”モデルとして芸能界デビュー。 2017年からドラマや舞台で精力的に俳優活動を行う。現在放送中のドラマ『青きヴァンパイアの悩み』では桐山漣とW主演を務める。

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