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UPDATE|2021/03/08

大盛況の麻雀Mリーグで不振の萩原聖人「俳優の仕事ではアンチコメントへの免疫が全くなかった」

撮影/西邑泰和

3年目を迎えた本邦初の麻雀プロリーグ「Mリーグ」も、約半年間のレギュラーシーズンは残すところ各チーム4試合、たった1週間を残すのみ。そんな中で、今、もっとももがいている男が、Mリーグの顔ともいえる俳優・萩原聖人である。自身の不調に加え、チームは現在最下位。残り試合を勝ち続けなければ、セミファイナルを前にして今季の闘いの幕が閉じてしまう。他の選手と違い、大きすぎる「二足の草鞋」をはく男の夢は破れるのか。心境を聞いた。(前後編の前編)

【写真】俳優の時とはまた違った顔を見せる、Mリーグ ユニフォーム姿の萩原聖人

――今季のリーグも最終盤です。今の率直な感想を聞かせていただけますか。

萩原 そうですね……。とにかく、今、弱いです(苦笑)。上手いとか下手とか、そういうことは置いといて、素直に「弱ええな、俺」って思っていますね。チームにも迷惑をかけているなと思うし。もちろん必死に考えて、その時に自分ができる選択をしているつもりではあるんです。局面局面で最適な打牌をすることを「正着(せいちゃく)を選ぶ」と言って、それでも負けてしまうことがあるのが麻雀と言うゲームなんですが、「それにしても今年はとことんダメだな」というのが正直な気持ちですね。劣勢から盛り返しかけたときに、「こんな当たり牌、またつかむんだ」っていう局面がすごく多い。自分が強いと言われてた時のことなんか、もう忘れちゃいました。

――精神的にも、かなり追い込まれている?

萩原 いやあ、日々キツいですよ。ラス(ラスト=4着)くってから次の試合までの期間って、マジで毎日キツい。次の試合に出られればまだいいんですけど、その時に監督からの指名が入らなければ挽回のチャンスがまた先に延びたりもしますし。昔は、仕事の日々を切り替えるための、リフレッシュの手段のひとつが麻雀でしたけど、今はもうそういうことは出来なくなりましたから。特に今年はコロナということもあり、ほかに気晴らしになるようなこともあんまりなくて、成績の状況も含めてMリーグは僕にとって、重いものになってる自覚はありますね。

――Mリーグはインターネット放送の特性もあって、俳優としての仕事よりも、ファンの声がよりダイレクトに届くようになったかと思います。そうした声に励まされたりは?

萩原 これに関してはいろいろありますよね。もちろん、応援してくれる人はたくさんいます。ただ僕は当初、逆に批判的なコメントのほうが引っ掛かっちゃってて。

――というと?

萩原 僕はネットをまったく見なかったし、ずっとガラケーでMリーグが始まった年に「インスタグラムぐらい宣伝のためにやろうかな」って初めてスマホに変えたくらいのアナログな人間だったんで、アンチコメントみたいなものに対する免疫が全くなかったんです。俳優の仕事では、そんな直接的な誹謗中傷を受けたことがなかったんですよ。「お前の芝居がダメだからこの作品が死んだんだ」とかね。ところがいざMリーグをやったら、麻雀に関するそのレベルのキツい言葉が飛んでくるようになった。

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