不良中年の星・バン仲村(46)が、「Breaking Down 10」でごぼうの党・奥野卓志代表と闘うことになった。バンは引退を、奥野は1000万円を懸けた一戦となる。試合を直前に控えた現在の心境は「無」としながらも、その表情からは気合が伝わってくる。公開されたオーディション映像では「10というミレニアムな大会で、ただただ強さを証明しあってるだけじゃ物足りない」としながら、奥野に対して「あんたの喋ることに言霊が乗っていて、華もある」とラブコールを送っていた。
【写真】引退をかけた一戦前、Breaking Downについて語るバン仲村【4点】「そもそも僕は、自分のことを格闘家だと思っていない。格闘家じゃないから、『もっとすごい選手に勝って、強さを証明したい』なんて発想にもならない。じゃあなんでBreaking Downに出ているかというと、46歳のオッサンが必死こいて何かをやったとき、誰かの心を変えたり、励ましたり、大切なことを教えたりできると考えているからなんです。
その点、奥野さんは僕と同じ毛並みだと感じるんですよ。メイウェザーに花束を投げたり、政党を作ったり、違う業界から来て必死でもがいている。アンチに何を言われてもお構いなしに突き進むあたりも、どこか僕と似ていますしね。もし将来、自分が政治の世界に足を突っ込むことがあったら、そのときはご教授願いたいし……」
バンから思わぬ爆弾発言が飛び出したため、「ひょっとして出馬を視野に入れているんですか?」と尋ねたところ、「今のところ、その意思はない。でも、世の中が放っておかない場合もあるからね」とほくそ笑む。今日もウイットに富んだバン節は絶好調だ。
「今回の大会は、“世代交代”というテーマがキーワードになっているじゃないですか。でも僕自身は、そうした運営側の意図とは関係なく、死に場所を求めていたんです。正直に言うと(Breaking Down 7で)瓜田純士との遺恨を清算し終えたときに踏ん切りはつきました。もうこれ以上、燃え上がるものはないなと自分でわかっていましたから。だから本来はそこで終わるのが美しかったのかもだけど、周りから『もっと闘っている姿が見たい』とか言われ、今に至る感じなんですよね。
Breaking Downは出場者の新陳代謝が激しいから、気がついたらいつの間にかいなくなっているパターンも結構あります。だけど僕は恋人と別れるときも、きちんと別れ話を切り出さないと気が済まないタイプでね。急にLINEをブロックして自然消滅を狙うなんていうやり方は性に合わないんですよ」
Breaking Down看板選手の1人となったバンだが、その物語はすでに最終章に差し掛かっている。最後はどのように終止符を打つのか、現在はそこを模索中なのだという。イキのいい若手が台頭してきたこともあり、Breaking Downの光景も少しずつ変わりつつあるようだ。