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UPDATE|2024/01/28

元自衛官コスプレイヤー・かざり、金髪の美大生が自衛隊を目指した理由「愛があればいける!」

撮影/大野代樹

陸上自衛官だった経験を生かし、元自衛官タレントとして自衛隊の広報活動を行っているかざりさん。2023年には「防衛省広報アドバイザー」に就任しており、自身のYouTubeチャンネル「かざりぷろじぇくと」では、戦車や戦闘機、航空機などに乗る姿を配信している。日本大学芸術学部にてデザインについて学んでいたかざりさんが、なぜ陸上自衛官を目指すことになったのか。入隊を決めた理由から入隊後の苦悩、現在の広報活動に至るまでの軌跡を語ってもらった。(前後編の後編)

【写真】武器✕女子高生、コスプレ姿のかざりさん、ほか撮り下ろしカット【10点】

――まず、自衛官を目指したきっかけを教えてください。

かざりさん 学生時代、『ガールズ&パンツァー』というアニメにハマり「実際に戦車を見てみたい!」と思い、陸上自衛隊の駐屯地に行ったことがきっかけでした。自衛官になりたいと思ったのは大学2、3年の時だったんですけど、就職活動は大学3年生くらいから始まりますよね。美大ということもあって、髪を虹色に染めている人、変わった格好している人がすごく多かったです。

でも、いざ就活となった途端、みんな黒髪になってスーツを着ていて「何でみんな個性的だったのにスーツになっちゃうの?」と思いました。そういう自分も1、2年生の頃は金髪でロリータファッションだったのですが、自衛隊の試験の際は黒髪スーツで行きました(笑)。

――富士の樹海を歩くような厳しい訓練もあると聞きます。そういった面で悩まれたりしなかったんですか?

かざりさん 教育隊では最初苦労しましたが、オタクだったので「愛があればいけるやろ!」と思っていました(笑)。今思えば本当に謎の自信ですね(笑)。行軍(行進訓練)は女性ももちろんやります。背のうを背負って25キロ歩きました。かなり疲れたことを覚えています……。好きだった訓練はないですが、強いて言うならモールス信号を覚えるのは好きでした。

――過酷ですね…。その他の訓練内容についても教えていただけますか。

かざりさん 陸上自衛隊には前期教育と後期教育があって、前期教育では敬礼や銃の取り扱い、匍匐前進(ほふくぜんしん)など自衛官になるための基礎的な訓練を3カ月間受けます。その後の後期教育では、所属する職種の勉強をします。私は通信科の隊員だったので、通信の勉強をしました。

朝は6時起床で、6時に起床ラッパで飛び起きます(笑)。私がいた女性自衛官教育隊では起きてすぐ点呼。起きたらすぐに靴を履いて舎前(隊舎の前にあるグラウンド)に集合して点呼していました。その後は朝食、身辺整理、掃除、課業の準備といった形です。陸上自衛隊では、約6か月間教育を受けた後、隊員として部隊に着隊するという流れですね。
AUTHOR

大野 代樹


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