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UPDATE|2024/07/18

ハリウッドザコシショウが15年間1日も休まずYouTube配信する理由「別に視聴者はいなくていい」

ハリウッドザコシショウ 撮影:松山勇樹

2016年度『R-1ぐらんぷり』の覇者にして、異能の芸人として混沌と爆笑を生み出すハリウッドザコシショウ。毎年恒例となった夏のミニ単独ライブツアーは過去最大キャパでの開催が決定。8月3日(土)東京・有楽町朝日ホールを皮切りに、福岡・名古屋・大阪・静岡の5都市7公演、激ヤバなネタが日本列島を駆け抜ける。そんな彼は今年、YouTubeチャンネル開設15周年、ソニー・ミュージックアーティスツ(SMA)所属20周年という節目を迎える。今の彼を語る上で欠かせない「YouTube」、「SMA」、この二つに対する姿勢と考えを伺ってみた。すると、浮かび上がってきたのはハリウッドザコシショウ流の強固な哲学と美学だった……(前後編の前編)。

【写真】過去最大キャパで単独公演を行うハリウッドザコシショウ

ベテランから若手に至るまで、テレビ番組とは異なる(=できなくなった)切り口や表現方法を駆使した企画で、普段から熱心に追っている層以外の数多まで巻き込む……まさに芸人にとって、もう一つの“舞台”となったYouTube。

そうした芸人YouTubeチャンネルの嚆矢とも言えるのがハリウッドザコシショウであるのはご存じだろうか?彼のチャンネル「ザコシの動画でポン!」の開設・投稿開始はなんと2009年9月。あの日本が誇るYouTubeスター・HIKAKINより2年早い。

今年で開設から15周年。しかもこの15年、一日に必ず一動画アップするスタンスを貫き通している。これは世界的にも珍しいだろう。そう告げると当の本人は「へえ、そうなんですか」と、驚くほど素っ気ない。

「僕、YouTubeをメインに活動しているわけではないから、あまり何年やったとか、何がバズったとか、特に強く意識したことがないんです。なんなら、別に視聴者はいなくていいですし、再生回数が一桁でもぜんぜん気にしません」

バズ、再生回数を増やすことに躍起になる人たちとは真逆の姿勢。これぞ孤高の芸人たる所以か。

「そんな大したもんじゃありませんよ。僕にとってのYouTube動画の全ては、僕が頭で考えた『こんなことやりたいな』を具現化しただけのもの。あと、単独ライブの幕間で流す動画の実験であったり、冠番組を作ったときに、『こんな企画をやりたいな』というものを一度形にする“練習場”。だって、頭の中にあるだけなら、それがどんな中身のコーナーで、どんな展開になるか?全く見えてこないんです。

所詮は頭の中で思いついただけのことなので、自分では成立していると思ったものが案外形にしたら成立していないことが多い。その考えを形にして『これはどう?』と、周りに確認してもらうための動画なので、出来映えも僕さえ納得できれば大丈夫なんです」

AUTHOR

田口 俊輔


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