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UPDATE|2024/08/16

日本映画の到達点、アクションシーンは世界に誇れるレベル『キングダム 大将軍の帰還』

(C)原泰久/集英社 (C)2024 映画 「キングダム」製作委員会

2019年から始まった、同名漫画を原作とした実写映画「キングダム」シリーズ。今作の『キングダム 大将軍の帰還』をもって、シリーズ完結となっている。

【写真】『キングダム 大将軍の帰還』場面写真

しかし、これはあくまで第1章が終了といったニュアンスである。

実際にひとつの区切りとなっている作品であるし、何なら今までが長い長いプロローグであったかのようにも思える到達点的作品。

そして圧倒的スケール。海外スタッフが入っていたり、そもそも舞台が中国の物語ということで”日本映画”と混じりっけなしに言えないとはいえ、シリーズ全てを担当してきたアクション監督・下村勇二が手掛けたバトルシーンの迫力は、他国に負けず劣らずで、日本映画全体としても到達点といえるだろう。

重量感を感じさせるバトルシーンの数々は、逆に他国のアクション映画にも見習ってもらいたいと思わせる点が多いにあり、日本映画の底力がそこにはあった。

さて、そんな今作のメインイベントは何かというと、今まで直接的なバトルに参加してこなかった王騎将軍が、ついに身を乗り出してくることだ。

王騎とは、原作の時点で、かなりクセのあるキャラクターではあるが、それを独特な雰囲気で大沢たかおが演じきっている。

大沢といえば、『地下鉄(メトロ)に乗って』(2006)や『風に立つライオン』(2015)など、日本映画界を代表する正統派俳優として知られているが、「キングダム」シリーズの王騎役が、その印象を大きく変え、大沢たかおという俳優に、柔軟性を加えたといえるのではないだろうか。


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