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UPDATE|2023/12/30

SKE48荒井優希が振り返るプロレスラーとしての1年「なんの結果も出せていない、悔しい」

荒井優希 (C)東京女子プロレス

2024年の幕開けとなる1月4日の後楽園ホール、東京女子プロレスで活躍するSKE48の荒井優希が、〝規格外の怪物〟マックス・ジ・インペイラーが持つインターナショナル・プリンセス王座へと挑戦する。2023年はプロレスラーとして悔しい1年だったという荒井。2024年1月25日には東京女子プロレスの選手4人の成長物語を掘り下げた書籍『プロレスとアイドル』(太田出版・刊)も発売される。アイドルとプロレスの二刀流を突き進む荒井は、レスラーとして次のステップに一歩踏み出すため秘策を練っているという。(前後編の前編)

【写真】アイドルとプロレスの二刀流で活躍する荒井優希【9点】

「こんな年末になって、なにを言っているんだって怒られちゃいそうですけど、いま気づいたんですよ。2023年の私ってプロレスラーとして、なんの結果も出せていないですよね?」

今年最後になるであろう取材で荒井優希はいきなりそう切り出した。

たしかに「結果」という意味では、その認識で間違っていないのかもしれない。

新年早々、タッグ王座から陥落すると、続くタッグトーナメントでも敗退。パートナーの赤井沙希が11月で引退したこともあって、それっきりタッグのタイトル戦線に浮上することはなかった。

その分、シングルマッチでたくさんチャンスが巡ってきた。

3月の有明コロシアムではアジャコングと一騎打ち。夏のシングル・トーナメントでは準決勝まで生き残り、10月の後楽園ホールでは引退を控えた赤井沙希と最初で最後のシングル対決。1年を通じて、大きな闘いが続いた。

荒井優希が振り返ったように結果は残せなかった。すべての試合で負けているからだ。しかし、その負け方が重要で「惨敗」でも「完敗」でもなく、どの試合も「惜敗」だった。

しかも、エプロンからの強烈なキックでアジャが場外でダウン。カウント19まで生還できず、あわやリングアウト勝ちか?と場内を沸かせた。山下実優とのトーナメント準決勝では一歩も引かぬ大善戦。結局、勝ち残った山下が優勝しているので、2024年は決勝進出もけっして夢ではない、という実力を見せつけた。赤井沙希とのラストマッチでもお互いにガンガン顔面を蹴り合い、ほとばしる感情を爆発させた。

ビッグマッチでは勝てなかったし、年末の段階でチャンピオンベルトもトロフィーも手にしていない。ただ、どの試合も「これ、荒井優希が勝っちゃうんじゃないか?」と会場をざわつかせる好勝負になった、という「実績」はしっかりと残った。

いわゆるプロレスラーらしいビッグマウスを荒井優希は叩かない。 

リング上でのマイクアピールも、バックステージでのコメントも極めて上品。もっとアピールすればいいのに、と歯がゆく思ったりすることも多々あるのだが、このあたりはアイドル育ちの奥ゆかしさなのかもしれない。

AUTHOR

小島 和宏


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