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UPDATE|2024/05/14

貧困・流産…女性の苦しさを丁寧かつリアルに描く『燕は戻ってこない』『虎に翼』とは違う辛さ

『燕は戻ってこない』第3話 写真◎NHK

NHK連続テレビ小説『虎に翼』(総合・月曜~土曜8時ほか)が話題を集めている。日本初の女性弁護士・判事・裁判所所長になった三淵嘉子氏をモデルに、法曹界に飛び込んだ猪爪寅子(伊藤沙莉)の奮闘を描いた本作。参政権が認められないなど女性が虐げられていた昭和初期が舞台となっており、女性の生き辛さをまざまざと見せつける内容になっているが、NHKで4月30日から放送開始された『燕は戻ってこない』(総合・火曜22時~)では令和を生きる女性の葛藤が描かれている。

【関連写真】『燕は戻ってこない』“代理出産”をキッカケに交差する…

 桐野夏生の同名小説をドラマ化した本作は、2人の女性を軸にストーリーが進む。1人目は“リキ”こと地方出身の29歳・大石理紀(石橋静河)。リキは手取り14万円の医療事務として非正規雇用で働くが、来年には雇い止めになる。憧れの東京で仕事をしているものの、経済的に激しく困窮しており、キラキラした生活とは無縁。

もう1人はバレエ界のサラブレッド・草桶基(稲垣吾郎)を夫に持つ44歳・悠子(内田有紀)。広々とした家に住んで豊かな生活を送っている 悠子ではあるが、不育症と卵子の老化によって妊娠を諦めざるをえない状況に立たされている。子供を切望する基と基の母・千味子(黒木瞳)からのプレッシャーに日々耐えており、心は豊かではない様子。

 住んでいる世界も年齢も異なる2人ではあるが、“代理出産”をキッカケに交差する。自身の遺伝子を残すことに強いこだわりを持つ基は、ある日悠子に代理出産で子供を授かる選択を提案。悠子は困惑するが、子供ができないことに罪悪感を覚えており、 「妊娠できないのなら離婚してほしい」と考えている千味子の存在も影響して渋々了承。

一方、リキは最低でも報酬として300万円をもらえることに魅了され、こちらも渋々ではあるが代理出産のための卵子提供に前向きな姿勢を見せている。

AUTHOR

望月 悠木


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