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UPDATE|2014/10/31

アプガのプロレス化が止まらない! DDTとの“工場コラボ興行”に突撃!!

 異色のプロレス団体・DDTプロレスリングが、これまた異端のアイドル集団・アップアップガールズ(仮)と本格的にタッグを組んだ。大会を大団円で終えると、DDTの高木三四郎社長は第3弾、第4弾の開催も示唆。プロレスとアイドルの親和性についてはかねてから指摘されることが多かったが、ここまでお互いの魅力を引き出し合ったコラボも珍しい。両者のタッグは新たなステージに突入したといえるだろう。

 
 

 この日の試合会場(ライブ会場)は東京・昭和島の宮地鉄工所だった。「アップアップDDT(仮)~アイドルvsプロレス異種対バン戦Vol.2、工場ライブプロレス~」と銘打たれた大会は、当日まで出場選手も発表されないまま。多くのアイドルファンにとっては、工場でプロレスを行うこと自体が想像もつかなかったことだろう。しかも、そこにアプガがどう絡んでくるのか?
 
 まずはDDTの鶴見亜門GMと井上マイク・リングアナが登場し、「工場プロレス観戦講習会」なるものを開始。衣類や荷物が汚れたり、身体が水で濡れることも十分ありえる旨がアナウンスされる。ちなみに宮地鉄工所の業務内容は、「鉄材料及びに非鉄金属材料の熱間自由鍛造・金型鍛造工場」(公式HPより)。無機質な工場の景観と、ものものしい注意事項によって、観客の間に緊張感が走る。

 MCでこの日の感想を尋ねられた佐保明梨は、「そりゃ最高ですよ。前を観れば、ファンのみなさん。左を見上げれば(工事現場や工場によくある)“安全第一”の文字。本当に安全が第一ですからね。“破壊第一”に変えたい気持ちもありますが……」と“破壊王”らしい一面を覗かせながらも、実に満足そうだ。

どんな環境であっても、ホームに変えてしまうたくましさはアプガの真骨頂

 最高の盛り上がりの中、ラストの曲として紹介されたのは、グループのアンセムソング『アッパーカット!』。ところが、実際にスピーカーから流れてきたイントロは『スリル』(布袋寅泰)だった。ここで男色ディーノを先頭に、レスラー数人が登場。ディーノはアプガのファンに対しても、いつもと同様にキスしまくり。工場は断末魔に包まれた。
 
 ステージ(トラック荷台)をジャックしたディーノは、「おい! 工場の時間はもう終わってますよ~。騒音だ! やめろ!」と理不尽要求。これにはアプガファンの大石も黙っているはずがなく、「てめぇらにこのライブを潰す権利はねぇ。俺はアップアップガールズ(仮)の大ファンだ! このライブを潰したかったら、俺を倒してからにしろ!」と白馬の王子様気取りで徹底抗戦する。
 
 だが、勇ましいのは口だけだった。あっという間にディーノら数名の悪徳レスラーから大石が袋叩きに遭うと、今度は高木ら親アプガ派のレスラーたちが救出に駆けつける。こうして極度の混乱のまま、ディーノ、アントーニオ本多、諸橋晴也、伊橋剛太組(反アプガ軍)VS高木、大石、平田一喜、DJニラ組(親アプガ軍)の8人タッグマッチが開始されたのである。

路上プロレスの雄・DDTと、路上ライブで叩き上げたアプガ。両者の意地が交錯する

 ここからはカオスな展開が続く。工場の敷地をフルに使って、縦横無尽にファイトを繰り広げる選手たち。否が応でも、アプガのメンバーも巻き込まれていく。石灰を使った攻撃では、レスラーのみならず、アプガ、観客、マネージャー、カメラマンなども全身真っ白に。高木や本田が自転車(ドラマティックドリーム号)を駆使した攻撃を仕掛ければ、ニラは自販機天井部からのムーンサルトプレスを敢行。やんやの喝采を浴びていた。
 
 中盤に入り、ついに闘いは敷地外にまで及ぶ。路上で高木が炭酸ガスを佐保に誤爆すると、怒った佐保は高木をタコ殴りに。この日の佐保は、他にもディーノをスコップでメッタ打ちにしたり、諸橋に正拳突きを連打するなど、大車輪の活躍。攻撃に一切の躊躇が感じられないあたり、天性のプロレスラーぶりを発揮していた。

選手やメンバーだけでなく、報道陣や観客までも石灰まみれに

完全にブチ切れた佐保明梨は、諸橋晴也に正拳突きを乱れ撃ち。容赦のない攻撃は爽快感すら覚える

 15分経過。アプガが平田に対して「お前、平田だろ!」と追及するも、あっさり「そうです」と切り返されるなど、シュールな展開が続く。その平田だが、アプガをバックダンサーに従えて『TOKYO GO!』でマグナム・ダンスを披露する一幕も。こうなると、もはやプロレスなのかどうかも怪しくなってくる。
 
「茶番の時間は終わりです。さぁ、ギブアップしなさいよ!」
 
 相手陣営から集中して攻撃を浴びた大石は、ディーノから降伏を迫られる。これには大石も「ギブ……ギブ……」と心が折れかかるが、最後は気力を振り絞って「ギブ・ミー・『アッパーカット!』」とシャウト。呼応するようにトラック荷台でアプガが歌い出すと、高木はホースで水を撒き散らし、伊橋はパイプイスで乱打される。工場プロレスのハチャメチャぶりは極限まで到達した。
 
 だが、試合のカギを握ったのはやはりディーノだった。人質として仙石みなみを拉致すると、あろうことか男色ナイトメア(相手の顔面の上でタイツを脱ぎ、尻を擦りつける下ネタ技)を試みる。これには“侍魂”を標榜する仙石も両手で顔を覆う有様。「明日の東スポの見出しが決定しました。“アップアップガールズ(仮)、ケツを舐める!”」というディーノの高笑いが憎々しい。もはや万事休すかと思われたそのとき、新井が「なに、可愛いアイドルに汚ねぇケツをつけようとしてんだよ! 助けて、群馬のおじさーん!」と絶叫した。
 
 ……えっ、まさか? ……嘘だろ? どういうことだよ?
 
 観客の悲鳴は、どよめきに一変する。こちらに向かってくる男は、間違いなくミスター・ポーゴ。つまり新井は、あの極悪魔王と親族の関係にあったのか!? となると自叙伝『ある悪役レスラーの懺悔』に書かれていたあの女性とはどういう関係!?

現役アイドルに対して、この汚い攻撃はひどすぎる! 驚きのあまり、森咲樹(緑)も鳩が豆鉄砲を食ったような表情を浮かべていた

極悪魔王のビッグファイヤーが炸裂! これ一発で形勢逆転したアプガ軍が試合を制した

 試合はポーゴがビッグファイヤーを伊橋に噴射し、フィニッシュは大石がピン。ご機嫌なポーゴは、「みんな、彼女たちを応援してやってくれよ!」と観客に共闘を呼びかけていた。そして、最後にアプガが熱唱した『Burn the fire!!』に合わせ、再度、ビッグファイヤーをド派手に咲かせたのだった。
 
 最後に宮地鉄工所の関係者コメントを紹介しよう。
 
「DDTさんとのコラボは今回で5回目。最初にやったのは5年前で、当時から路上プロレスをやっていたDDTさんが、試合ができる工場を探していたんですよね。そのことを僕はmixiで知って、すぐにうちでやることが決まったんですよ。今回が例年と違うのは、なんといってもアイドルが登場したことでしょうね。ただ、僕自身が川崎純情小町というアイドルグループのファンなので、アイドルファンのマナーがいいことは信じていました。今後も機会があれば、ぜひ続けていきたいですね!」

新井愛瞳さんがミスター・ポーゴと血縁関係にあった事実は、あまりにも衝撃的。ちなみに現在、発売中の『月刊エンタメ12月号』では、仙石みなみさんの父親もインタビューで登場。アプガは、親族までも巻き込んで大きなムーブメントを巻き起こす!

アップアップDDT(仮)~アイドルvsプロレス異種対バン戦Vol.2、工場ライブプロレス~(東京都・昭和島宮地鉄工所)
観衆:200人(超満員札止め)
 
【8人タッグマッチ 時間無制限1本勝負】
高木三四郎
平田一喜
○大石真翔
DJニラ
 
(25分37秒・群馬のおじさんことミスター・ポーゴのビックファイヤー→体固め)
 
男色ディーノ
アントーニオ本多
諸橋晴也
伊橋剛太●
 
 
 
(※DDTプロレスリングを初期から支え続けていた木村浩一郎さんが、28日未明、お亡くなりになりました。謹んでお悔やみ申し上げます。)

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