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UPDATE|2021/12/29

「多忙で学校でもボロボロ泣いていた」家庭科教師を変えたプロレスとの出会い【スターダム レディ・C】

撮影/松山勇樹


──聞いているだけで大変そうです。

レディ・C 特に1年目はすべてが手探りだったから、時間が本当に足りなかったんですよね。2年目以降はノウハウができるので、授業を作るのも少しは要領よくできるんですけど。とにかく忙しさが極限に達して睡眠時間も少なくなったことで、精神的に追い詰められていったんですよ。授業をすること自体は楽しいんだけど、「もうダメだ……」って何度も挫けそうになりました。その頃は学校でもボロボロ泣いていました。そんな私の様子を見かねて、同僚の先生が「私、こういうのにハマっているんだ。見たら元気になるかもよ?」ってプロレスを教えてくれたんです。

──精神的に弱っているとき、プロレスに勇気づけられるというのはよく聞く話です。

レディ・C 私も典型的なそのパターンですね。生徒が修学旅行でいない期間があったから、「ここだ!」と思って後楽園ホールに新日本プロレスを見に行ったんです。1時間くらい並び、たしか当日券で特リン(特別リングサイド席)を買ったのかな。試合は全身に電流が流れるような衝撃の連続でした。文字通り、運命が変わりましたね。

──特に好きな選手はいたんですか?

レディ・C ちょうどその少し前にROPPONGI 3KのSHO選手とYOH選手が凱旋帰国したんです。同僚の先生から写真を見せてもらったとき、お2人の大胸筋におもわず目を奪われたんですよね(笑)。だから言ってしまえば「うわ~、カッコいい筋肉しているなあ」くらいの軽薄な入り方ではあったんですけど、実際に生で観戦するとそんな生ぬるい世界じゃないとすぐに気づきまして。後藤洋央紀選手のエルボー一発の「バチン!」という音、間近で行われる場外乱闘から飛び散ってくる選手たちの汗。それまで格闘技どころかスポーツも無縁で生きてきたので、本当にカルチャーショックを受けました。大人の男たちが目の前で魂をぶつけ合いながら闘っているわけですから。気がつけば、汗をかきながら応援していました。毛穴が全部開いて、心拍数がどんどん上がってきて……。それまで精神的にどん底にいたのに、「生きてるってこういうことか」って応援しながら自分を取り戻せたんです。

【中編はこちら】元家庭科教師 レディ・Cのデビュー秘話「プロレスをやらせてください!」父に号泣土下座した夜

▽レディ・C
1994年11月17日生まれ、千葉県出身。スターダム所属の女子プロレスラー。日本の現役女子プロレスラー最長身の177cm。得意技は「河津落とし」「脳天唐竹割り」など。Twitter:@LadyC_stardom/Instagram:ladyc_stardom

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