岡田 だからこそ私は警鐘を鳴らすべきだと考えたんです。今のうちにきちんと情報を共有しておきたかった。オミクロンが海外では広がって大変な状況にいるけど、日本では年明けには顕在化してくると思う。でも、まだ少ない今だったら間に合う。この本が2022年の3月に出たところで、もう手遅れになっている恐れだってあるんですよ。だったら今の時点で書けることを全部書いて、世に問うたほうがいいと考えたんです。で、版元の方々にはご苦労をかけても、著者の私が年内を言い切って、お願いしました。
──なるほど。改めて警鐘を鳴らす意味合いが強い一冊であると。
岡田 そう。特に若い人に読んでほしいんです。今回、出版社の人たちにお願いしたのは、とにかく本の値段を少しでも下げてほしいということ。だから豪華なハードカバーとかで装丁にお金をかけないでほしい。ペーパーバックで十分だし、なんだったらしおり代わりの紐すら要らないと伝えたんです。それから、なるべく早いタイミングで電子書籍化もしてほしいと希望も出しました。
──第6波が来るとも囁かれていますが、今ならまだ取り返しがつくわけですからね。
岡田 現に新規感染者数が以前よりは減っている今、少しはほっとしたい気持ちは私も同じです。でも、今、オミクロンが水面下で拡がっている。これは速いです。そして、年末年始の人の移動があります。人の動きも戻ってきています。
だから、今こそ、この2年間で何が起こったのかを冷静に振り返りつつ、今ならまだ間に合うからこそ、ここでしっかり対策を練ること。せっかくの年末年始だけど外に飲みに行くのは少し我慢して、家でこの本を読んでいただけたらと。そうしたら、徹夜を重ねた私も担当編集者も少しだけ報われるのかもしれません。