──振付師として八面六臂の活躍を続ける一方で、アイドルイベント「サコフェス」主催やアイドルオーディション「SACO PROJECT!」を手掛けましたよね。
槙田 アイドルのプロデュースというのは、自分がアイドルだった頃からずっとやりたかったことではあるんですよ。アイドルが大好きということはもちろんですけど、もともと客観的に物事を見る傾向があったので「この曲はもっとこういうデザインの衣装がいいんじゃないか」とかすぐ考えちゃって。でもプロデュースするとなるとメンバーの人生や将来を抱え込むわけだし、軽はずみな気持ちではできないですよね。30歳くらいになるまで我慢しようかなとも思ったんですが、「やってみたら?」と後押ししていただく声もあったので覚悟を決めて始めることにしました。
──「私が秋元康やつんく♂になる!」という覚悟ですね。
槙田 いやいや、それは恐れ多すぎます。「SACO PROJECT!」オーディションの開催を発表したのが2020年11月。そこから生まれたグループ・Hey!Mommy!が去年の11月28日にデビューしました。メンバーとは結構いろんなことをじっくり話しますね。やっぱり今はまだ素人感覚というか芸能界のことが何もわかっていない状態なんです。でも、私としてはメンバーに「自分はこうしていきたい!」という意思を持ってほしいんですよね。将来なりたいことなんて変わってもいいから、とにかく自分で考える習慣をつけてほしい。そういう中で私としては考えるヒントを与えていくように気をつけています。
──Hey!Mommy!の展望も含めてですが、今後、槙田さんはどこを目指していきたい?
槙田 まずはなんと言ってもHey!Mommy!を売れさせなくてはいけない。「2025年に武道館」というはっきりした目標を立てているので、3年後までにそこへ到達させないと。私、プロデュースを始めてからすごく感じることがあって、結局、私自身が成長しないとメンバーたちも成長しないんですよ。あの子たちは私からいろんなことを教わるわけだし、私がすべてとは言わないまでも、ものすごく大きい存在であることは間違いなくて。逆に言うと私が腐ってしまったら、あの子たちも間違いなく腐る。あの子たちが大きくなるためには、槙田紗子が大きくなるしかないんです。それは知名度の問題とかではなく、視野の広さとかそういう面も含めての話ですが。
──なるほど。ある意味、人間力も問われるのかもしれません。
槙田 アイドルのプロデュースをしているからって、プロデュースのことばかりに没頭するのは逆によくないのかなと今は思っています。だから私個人としてもどんどんいろんなことに挑戦したいし、可能性をこれからも広げていきたいですね。ここからが勝負所だと考えていますので。これからもHey!Mommy!ともども応援のほど、よろしくお願いします。
(取材・文/小野田衛)
▽槙田紗子(まきた・さこ)
1993年11月10日生まれ、神奈川県出身。元PASSPO☆であり、現在は振付師や、アイドルプロデュースプロジェクト「SACO PROJECT!」にて、約1,000名の応募者から選ばれた7名で結成したHey!Mommy!のプロデューサーとしても活躍している。
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