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UPDATE|2022/10/30

鈴木敏夫、秋元康、村上春樹…あの意外な大物の肉声が聞ける貴重なラジオ番組3

『村上RADIO』(パーソナリティ・村上春樹) TOKYO FM 公式サイトより

ラジオというメディアが再注目されている。そう言われるようになって久しいが、現代のラジオスターと聞いて、誰を思い浮かべるだろうか?伊集院光、ピストン西沢、RHYMESTERの宇多丸、福山雅治…。爆笑問題やナインティナイン、オードリーといった芸人を挙げる人も多いかも知れないが、普段あまりテレビに出演しなかったり、出たとしても、テレビでは冠番組を持たないような意外な大物がレギュラー番組を持っていたりするのもラジオの魅力。今回は、各界の大物がパーソナリティを務めるラジオ番組に注目したい。

■『鈴木敏夫のジブリ汗まみれ』 TOKYO FM(JFN系列38局) 日曜日 23:00~23:30

今年10月に16年目を迎えた長寿番組。ジブリ作品を欠かさず観ているようなジブリファンはもちろんのこと、映画ファンや音楽ファンにも聴いて欲しい、濃く深い話が満載の対談番組だ。パーソナリティを務めるのは、スタジオジブリのプロデューサー鈴木敏夫。鈴木にとって初のレギュラー番組であるこの番組の最大の特徴は、「スタジオで収録しない」ということ。TOKYO FMのスタジオでは一切、収録をしていない。鈴木の隠れ家である「れんが家」にゲストを迎えて、本音を語り合う。ラジオの狭いスタジオから解放され、リラックスした空間で語られる会話。リスナーは、それを盗み聴きしているような特別感さえある。時には、講演会やトークショーの模様が放送されることもあるが、いずれにしても、スタジオ収録ではない、特別な音声が毎回流れている。

今年開催されたイベント『鈴木敏夫とジブリ展』や舞台『千と千尋の神隠し』、愛知県の愛・地球博記念公園に間もなくオープンする『ジブリパーク』についても、もちろん取り上げられており、ジブリファンにとっては、最新情報や今後の動向について、鈴木プロデューサーの口から直接聴ける嬉しい場所にもなっている。

そんな中、豪華で意外なゲストにも注目したい。ジブリ作品以外の映画監督や漫画家を迎えた放送回も興味深いのだが(過去には、『ONE PIECE』の作者、尾田栄一郎も出演している)、ミュージシャンのゲストが多いのもFMならでは。例えば、あいみょん、King Gnuの井口理、米津玄師、GReeeeNのHIDEといった面々。それぞれ、ジブリファンを公言していたり、番組のヘビーリスナーだったりしたことで、鈴木との対談が実現。米津やGReeeeNは、テレビにほとんど出ないが、そもそも、GReeeeNは顔出しもしていない。そんなミュージシャンとの対談が聴けるのもラジオならではと言っていいだろう。鈴木の飄々とした語り口と懐の深さ、そして、れんが屋という特別な空間だからこそ、ゲストも本音を吐露しやすいのかも知れない。番組は、初回から最新回まで、ポッドキャストで聴けるので、是非チェックしていただきたい。
AUTHOR

南 喜一


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