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UPDATE|2022/11/25

戸田恵梨香と永野芽郁が見せた新境地、映画『母性』繊細にも残酷な“すれ違い”に激震

戸田恵梨香、永野芽郁 映画『母性』(C)2022映画「母性」製作委員会公式



母を愛しているのに、愛してもらえない……。心の底では愛してくれていることはわかっている。しかし、それを表に出せない母の姿を見るのも辛いし、自分自身も母の境遇を理解していながらも、ときにはわかりやすい愛で包んでほしいと願ってしまう。

そんな様々な葛藤がにじみ出るような役どころを永野は見事に演じている。主演映画『マイ・ブロークン・マリコ』でも新境地を切り開いたばかりなのに、この短いスパンで更なる境地を見せつけてくれた永野の演技の幅にも驚かされるばかりだ。

今作が特徴的なのは、子と親の目線を交互に描いていることだ。それによって子が考える「母性」と親が考える「母性」のすれ違いを繊細にも残酷に描きながら、また親もかつては子だったわけだと感じさせる。

そんな生命のサイクルをサスペンステイストで描いているものの、それは私たちの周りにある、ごくごく普通の光景であるのかもしれない。そう考えれば、考えるほど、私たちにとって、一番身近な闇であるとしか思えなくなってくる。

人間や動物にそなわる「母性」とは一体何なのかを改めて考えさせられると同時に、「母性」の構築において、教育と価値観の重要性も秘めた重圧で濃厚な作品。それでいて、今作を観た後では、「母性」という言葉を簡単に使えなくなってしまうかもしれない……。

▽『母性』作品情報

女子高生が自ら命を絶った。その真相は不明。事件は、なぜ起きたのか?普通に見えた日常に、静かに刻み込まれた傷跡。愛せない母と、愛されたい娘。同じ時・同じ出来事を回想しているはずなのに、ふたりの話は次第に食い違っていく。母と娘がそれぞれ語るおそるべき「秘密」。2つの告白で事件は180度逆転し、やがて衝撃の結末へ。母性に狂わされたのは母か?娘か?この物語は、すべてを目撃する観客=【あなたの証言】で完成する。

▽クレジット
監督:廣木隆一
脚本:堀泉杏
出演:戸田恵梨香、永野芽郁、三浦誠己、中村ゆり、山下リオ、高畑淳子、大地真央ほか
原作: 湊かなえ『母性』(新潮文庫刊)
主題歌:JUJU「花」(ソニー・ミュージックレーベルズ)
音楽:コトリンゴ
製作:映画「母性」製作委員会配給:ワーナー・ブラザース映画
公式サイト:bosei-movie.jp
(C)2022映画「母性」製作委員会公式
11月23日(水・祝)全国ロードショー

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