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UPDATE|2022/12/11

M-1に取り憑かれた男・スーパーマラドーナ武智が熱弁、今年の決勝をより面白く観る方法

スーパーマラドーナ 武智 撮影/西邑泰和

年に1度、結成15年目までの芸人コンビが、漫才日本一を決める賞レース、「M-1グランプリ2022」が、12月18日(日)に開催される。毎年お笑い好きたちが注目する祭典であり、年々国民的イベント級の盛りあがりを見せている。今回、M-1グランプリ2015~2018年連続ファイナリストであり、M-1をこよなく愛する“M-1ご意見番”かつ“M-1に取り憑かれた男”の異名を持つスーパーマラドーナの武智を直撃。大会を例年見たり見なかったりのライトユーザーや、「全然見たことないです」というM-1素人の視聴者に向けて、今年のM-1が何倍も楽しめる術を聞いた(前後半の前編)。

【写真】M-1に取り憑かれた男・スーパーマラドーナ武智

まず前提として知ってほしいのは、M-1の一番の面白さは、芸人にとっての本当の真剣勝負だというところです。スポーツに近いかな、今ならそれこそワールドカップとか。競技漫才には競技漫才の楽しみ方があって、しかもM-1はめちゃくちゃシビアに点数まで出して、上下を決める。真剣さ、ヒリヒリ感みたいなのを楽しんでもらいたいなと思います。

やっぱり、優勝したら人生が変わるんで。例えば2019年に優勝したミルクボーイなんて凄かったですよ。優勝するまでは、大阪のなんばグランド花月っていう吉本の劇場で、漫才や新喜劇の本公演の前説で、セーラー服を着て踊ったりしてたんです。ただ場を温めるだけ、もちろん本公演で漫才なんかさせてもらえるわけもなく、安いギャラで踊って家に帰る。それがミルクボーイの日常やった。でも優勝して、全国ネットだCMだと活躍してて。今では大阪でもレギュラーを抱えて、安定した生活を送っている。一撃必殺ですよ。

僕自身もそうでしたけど、M-1に出る出ない以前に、結婚して嫁子供がいるってケースもけっこうあるんですよ。家族のためにバイトもせなあかんかったり。そういう生活では、チャンスらしいチャンスはなかなか巡ってこない。でも、唯一自分の力でつかめるチャンス、それがM-1なんです。それは力が入りますよね。だからみんな、自分たちの一番いいネタをぶつけてくる

ネタは、直前でポッとできて「このネタで行けるわ」みたいなことには絶対になりません。磨きに磨かないと、決勝に進めるようないいネタはできない。だから、たとえば今年のオズワルドなんか、下馬評では本命視っされながら準決勝敗退だったのは、去年より一気に忙しくなって、そういうネタ磨きの時間が以前より取れなかったのが影響したんじゃないかなとも思います。


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