『ヲタクに恋は難しい』(2020)や『新解釈・三國志』(2020)など、現代の日本を代表するコメディヒットメーカー、福田雄一監督による新作映画は、なんとクリスマス映画『ブラックナイトパレード』。もちろん単純なクリスマス映画ではなく、福田監督ならではのクセの強いギミックがいたるところに仕掛けられていることは言うまでもない。
【写真】吉沢 亮、橋本環奈出演、福田雄一新作『ブラックナイトパレード』『ブラックナイトパレード』は、ストーリー展開、作品を通して何を描きたいかは、正直よく理解できない部分が多く、難解な作品ではあるが、テンションとノリで突き進む強引なストーリーテリングは、もはやリスペクトに値する。それが福田監督の良さであり、それで良いと思わせるのも巨匠である証拠だ。
福田監督作品の特徴ともいえるのは、出演俳優陣の、他では観ることのできない一面を発見できるということだ。
「天使すぎるアイドル」というキャッチフレーズの清純派路線で売ってきたはずの橋本環奈は、福田作品に出演する度に「変顔ショー」が過激さを増す。ここまできたらお家芸といったところで、福田作品以外の『かぐや様は告らせたい~ 天才たちの恋愛頭脳戦~』(2019)や『カラダ探し』(2022)なども巻き込んで、なくてはならないものになりつつあるが、今作では、そんな変顔に加えて、もう一段階上のサプライズが仕掛けられている。
橋本環奈ファンは覚悟して観てもらいたいが、そんな橋本環奈の姿こそが福田監督からのクリスマスプレゼントなのかもしれない……。