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UPDATE|2023/03/12

コメディから連続殺人鬼まで、俳優・阿部サダヲの魅力と素顔

映画『シャイロックの子供たち』

『半沢直樹』や『下町ロケット』などのヒット作を連発する小説家・池井戸潤が原作の映画『シャイロックの子供たち』が2月17日に公開された。メガバンクの不祥事を描くというシリアスな内容ながら、コミカルな演技に定評がある阿部サダヲが主演を務めている。改めて、阿部の魅力について迫っていく。

【関連写真】阿部サダヲ主演・『シャイロックの子供たち』場面写真【10点】

阿部といえば、人気劇団「大人計画」に所属する俳優の1人。同劇団に所属している宮藤官九郎が脚本を務める『池袋ウエストゲートパーク』(TBS系)や『タイガー&ドラゴン』(TBS系)などの作品にもたびたび出演しており、パンチの効いたコミカルなキャラでお茶の間を賑わせている。

今回、映画『シャイロックの子供たち』の主役に抜擢。今作が特集された『いっちゃん☆KNB』(2023年2月/北日本放送)で本木監督は阿部の演技について、「阿部さんの軽やかな演技のおかげで途中で笑いが起きたりするのでビックリしている」「深刻な事を軽やかに演じるのはすごく難しい」「コメディができる俳優さんの条件がそうなんですが、その条件を備えた才能のある俳優さん」とコメント。作中でも随所に現れる阿部のコミカルな演技を高く評価していた。

また、コメディだけなく狂気的な演技もできるところも阿部の魅力の1つだ。例えば2022年に公開された映画『死刑にいたる病』では連続殺人鬼を演じ、鳥肌ものの迫真の演技に「トラウマ級に怖い」といった声が寄せられていた。

阿部は撮影している間、殺人鬼の役に相当入り込んでいたようで、完成披露試写会後のインタビューでは初共演の岩田剛典が「この映画のポスター、あの目のまんまなんですよ、現場でお会いして」「本当に殺されると思いました」と阿部の撮影中の様子を語っていた。両極端な役柄の演じ分けを難なくこなす姿からも演技力の高さが伺える。

コミカルな演技からサイコパスの役柄までこなせるカメレオン俳優の阿部の活躍は、俳優業だけにとどまらない。2011年に放送された『マルモのおきて』(フジテレビ系)ではエンディング曲『マル・マル・モリ・モリ!』の最中に、子役の芦田愛菜と鈴木福と一緒に同曲のダンスを披露。阿部のあまり見られない一面は、多くの視聴者から注目を集めた。

ダンスの他にも、大人計画のメンバーで結成されたバンド「グループ魂」ではボーカルを担当。YouTubeチャンネル「THE FIRST TAKE」に出演した際には、演出で置いてあったスリッパやカラーコーンをカメラに向かって投げたりと、阿部ならではの“おふざけ”を楽しむことができる。

多様な活躍をみせる阿部だが、もともとは意外にも物静かな性格だったそう。大人計画主宰・松尾スズキが、コピーライターの糸井重里と対談した際に、阿部について「(芝居での変化はすごいが)普段は、ただうつむいてボソボソ言うだけの人だから(笑)」「本番だと、自分の出番の前に舞台袖に行って出番を待つのに、阿部は待たないっていうんです。楽屋からすうっと来て、止まらずにそのまま舞台に出て行くって」と語っている。

表舞台でも独特な雰囲気を放っている阿部は、裏側でも特殊な性格を発揮しているようだ。

舞台をキッカケにエンタメ業界でマルチに活躍する阿部サダヲ。今後どのような作品で自身の魅力を発揮していくのか、引き続き彼の活躍から目が離せない。

【あわせて読む】池井戸潤×阿部サダヲがタッグ・映画『シャイロックの子供たち』メガバンクの不祥事が泥沼化

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