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UPDATE|2023/06/04

『どうする家康』『レジェンド&バタフライ』…作品ごとに異なる個性豊かな「織田信長」像

大河ドラマ『どうする家康』(YouTubeより)

フィクションにおいて様々な描かれ方をされてきた武将・織田信長。モチーフとして極めて魅力的な武将で、一向一揆を焼き討ちで解決したような残虐性や、海外にも目を向ける柔軟な思想、「楽市・楽座」をはじめとする革新的な政策、鉄砲隊の運用、謎に満ちた最期など、脚本家がどこにスポットを当てるかによって多様なストーリーを構築できる。現在放送中のNHK大河ドラマ『どうする家康』では、“ドSな信長”が描かれているようだ。

【関連写真】信長(岡田准一)が活躍した、21回場面カット

同作で信長を演じるのは、元V6の俳優・岡田准一。主人公の徳川家康(松本潤)に無理難題を押し付けてくる役どころで、ワイルドなパワハラ上司といった印象だ。

序盤で視聴者を湧かせたのは、なんと言っても家康を「俺の白兎」と呼ぶシーンだろう。ほかにも幼少期の家康に「食ってやろうか」と言い放ったり、浅井討伐を躊躇する家康に「耳カプ」をしたりと、まるで乙女ゲームに出てくるドSキャラのような振る舞いが話題を呼んでいた。

同ドラマの脚本家・古沢良太氏が手掛けた信長といえば、今年1月に公開された映画『レジェンド&バタフライ』の信長も印象的。こちらは木村拓哉が演じる信長で、妻の濃姫(綾瀬はるか)から見た「大うつけ」な一面にスポットが当てられている。

映画の中で描かれていたのは、飲めない酒を飲んで吐いたり、弱音を吐いたり、濃姫を討とうとしたら返り討ちに遭ったりする“格好ばかりの信長”。岡田信長と方向性がずいぶん違うが、キムタク信長もこれまでの“信長像”とは一風変わったキャラクターだった。

明智光秀を描いた大河ドラマ『麒麟がくる』(NHK、以下同)にも、当然信長は登場する。演じたのは俳優・染谷将太で、「認められたい」「みんなから褒められたい」といった承認欲求で天下統一を目指す、“承認欲求モンスター”と言えるような人物像だった。歴代の信長と比べても、『麒麟がくる』の信長が一番現代的かもしれない。


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