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UPDATE|2023/04/08

元“広末涼子ものまね”芸人・おかもとまりの今「精神病棟への入院中に本当に全てがなくなりました」

おかもとまり 撮影/田中健児

広末涼子のものまねで人気を博し“かわいすぎる女芸人”として活躍した、おかもとまり。先日ABEMAの恋愛バラエティ番組に出演し、今も変わらず“かわいすぎる”姿を見せ、話題を呼んだ。彼女は2018年にものまねタレント活動を実質上引退し、現在は映像制作を軸とした様々な活動を展開中だ。華々しいデビューの裏側から、結婚・出産、大切な人との別れ、そして現在の仕事を始めるに至った経緯について、真摯に語ってもらった。

【写真】元“かわいすぎる女芸人”、おかもとまりの撮りおろしカット【12点】

「『自分が生きていく道は、1つじゃないんだ』と、強く思う出来事があったんです」

2013年、おかもとはある経験を通じて、想いを強く抱くことになる。自分が求められることに100%で応えたいと気を張り続けるも、思うようにうまくいかない。バラエティでのある行動が炎上に繋がり、ネットでの心無い言葉を見かけるようになる。そうした日々の積み重ねに心が引き裂かれそうになったある日、ロケ先で訪れた北海道のある居酒屋の女将さんに「何かあればここで働きなさいよ」という言葉をもらう。何気ない一言が自分の心を軽くした。

「そうか、その生き方もありかも……と考えたとたん、ふと『なんで“こうじゃなきゃいけない”と縛られていたんだろう……今いる世界がすべてじゃないんだ』と、目の前が晴れたんです」

そしてもう1つ、自ら命を絶ってしまった大切な友人への想いだった。

「本当に優しく真面目な子でした。でも私はあの子の痛みに気づけなかったんです。私が気づいた“生きる道は1つではない”ということを友人に伝えられたなら、もしかしたら今もあの子は生きていたのかな?って、すごく考えてしまったんです」

友人への後悔は、今を生きる誰かにこの想いを届けたいという形へと変わった。では、どうすれば届けられるか?色々と考える中で、たどり着いたのは映画にして届けるという答えだった。

「ステキな俳優さんたち、ステキな脚本、それを全部1つにまとめて形にすれば、より多くの方に届いて、つらい想いをする人の助けになるんじゃないかなって。幸い制作について間近で学べる環境にいる。少しでもこの恵まれた今を最大限に活かすことが、今の私にとって一番大切だと思ったんです」

そう気づいてからは早かった。自らの手で、映画の企画書を書いて制作会社へ持ち込む日々が始まる。おかもとのメッセージに共感した制作会社とともに、その想いは『青の帰り道』という作品として形となった。2018年末に公開された本作は、2022年には台湾でも上映される。おかもとの願い通り、彼女のメッセージは海を渡り、広く多くに届けられることになる。

CREDIT

取材・文/田口俊輔 撮影/田中健児


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