FOLLOW US

UPDATE|2023/04/08

元“広末涼子ものまね”芸人・おかもとまりの今「精神病棟への入院中に本当に全てがなくなりました」

おかもとまり 撮影/田中健児



少しずつタレント外での仕事を広げるなど、新たな一歩を進み続ける2015年ころに、知人を通じて知り合った男性と結婚、子どもも授かった。「温かい家庭を持ちたい」という、子どもの頃からの夢が叶った。

「この頃はタレントでいる自分が、普段の自分でしたので、家庭を持つことの方が遠い世界になっていたんですよ。まさか自分がママになれるとは、当時思いませんでした(笑)」

映画製作を進めつつ、コスメのプロデュースや写真展など、本来やりたかった活動へと気持ちが向かうと同時に、タレントとしての自分への違和が次第に強くなっていった。漠然と「30代を前に独立したい」という想いが芽生え、2016年には長年世話になった太田プロを退所、自ら会社を立ち上げ個人活動へとシフトしていく。

タレントとしてはまさに旬ともいえるだろう年齢での新たな門出、不安はなかったのだろうか?

「全くありませんでした」とニコリと笑みを浮かべ答えた。

いわゆる「ママタレ」へのシフトという選択肢もあったはずだが、おかもとは「ママタレは自分には絶対にムリだと、独り言のようにつぶやいていました」と、さわやかに否定した。

「なぜって、辻希美さんに勝てる要素が1つもない(笑)。辻さんほど完成された方に並ばなければ、仮に少しだけ成功したとしても長続きはしないでしょうし、無理がたたるだろうなと思いました」

夢であった幸せな家庭を持ち、自らのやりたかった仕事へ従事、映画製作も着々と進む、まさに充実の日々……のはずだった。

「良い母親でいなくちゃ!仕事も頑張らなくちゃ!と、自分の脳と心と体に素直になりすぎて、ちゃんと休めていなかったんです」

日々の疲れの積み重ねが岡本の心を蝕んでいった。2018年、精神疲労の限界を迎え精神病棟への措置入院が決まる。

「実は入院翌日に仕事が入っていたのですが、勝手に『もう引退します』とSNSで発信してしまって。そうした判断がまともにできないぐらいピンチな状態でした」

CREDIT

取材・文/田口俊輔 撮影/田中健児


RECOMMENDED おすすめの記事