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UPDATE|2023/09/02

岸優太、初主演にして圧倒的代表作誕生!独特の”アドリブ”と”間”に注目『Gメン』

(C)2023「Gメン」製作委員会 (C)小沢としお(秋田書店)2015

アイドルグループKing & Princeの元メンバーで9月にはジャニーズ事務所を退所予定の岸優太の映画初主演作となり、俳優としての新たな一歩を踏みだす記念すべき作品でもある『Gメン』が8月25日より公開されている。

【写真】岸優太の映画初主演作『Gメン』場面カット【13点】

今年になって放送された主演ドラマ「すきすきワンワン!」での演技が評価された岸ではあるが、今作は映画というフィールドの中で、どう活躍を見せてくれるのかと期待と不安が混じり合うなかで、いきなり頭角を見せつけた代表作といえるだろう。

今作『Gメン』は、「フジケン」や間宮祥太朗主演でドラマ化もされた「ナンバMG5」など、平成の少年チャンピオンにおけるヤンキー漫画を支えてきた漫画家のひとり、小沢としおによる同名漫画を映画化したもの。

「ハイスクール!奇面組」や「今日から俺は!!」といった、昭和後期~平成中期頃までのヤンキー漫画、学園ギャグ漫画のお決まり王道テイストもありつつ、LGBTQ、女性蔑視などのジェンダー問題についても言及した現代的な視点も入った新時代ヤンキー漫画となっている。

それらに加え、社会現象を巻き起こした「おっさんずラブ」の劇場版『劇場版 おっさんずラブ 〜LOVE or DEAD〜』(2019)や、橋本環奈主演で映画化された『バイオレンスアクション』(2022)を手掛けた瑠東東一郎が今作の監督を務めていることも大きく影響しているのかもしれない。

「おっさんずラブ」の場合は、男性同士の恋愛を自然な恋愛感情として描いていた作品であったが、映画としては前作にあたる『バイオレンスアクション』においてもミソジニーを扱うなど、独自の視点を持っているからこそ、ヤンキー漫画=男臭いというイメージを払拭するような作品に仕上げてきている。

おそらく狙いなのだと思うし、そうであってほしいのだが、コテコテなギャグシーンはやや寒気を誘う。矢本悠馬の変なノリも全開で恥ずかしくなるものの、実はそれがひとつのアクセントとなっていて、コミカルとシリアスなシーンの対比として活かされている。そこに役者陣のアドリブが飛び交うことで、独特の雰囲気や間を生み出すことに成功しているといえるだろう。

ただ今作は、岸優太ありきの作品であることは間違いない。むしろ当て書きのようにも思えてしまうほど。

岸といえば、今までにも映画に出演したことはあったものの、『劇場版 仮面ティーチャー』(2014)や『黒崎くんの言いなりになんてならない』(2016)のようにドラマの映画化作品が多いし、実際にドラマ出演の方が多い。


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