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UPDATE|2023/12/10

実写版『幽☆遊☆白書』左京役は大正解? 稲垣吾郎の “冷たい狂気”が底知れない怖さを生み出す

稲垣吾郎、19年ぶりのフォトエッセイ『Blume』(宝島社)

世間が抱く稲垣吾郎のイメージといえば、クールでミステリアス。そして紳士的でやさしい部分もある──。ドラマの配役で表すと、御曹司役などが似合いそうな雰囲気だ。だがそんなパブリックイメージを持ち合わせていながらも、俳優としての稲垣は何かと胸の奥に底知れない闇を秘めたような悪役(ヴィラン)を演じることが多い。12月14日からNetflixで世界同時配信される実写版『幽☆遊☆白書』でも、“左京”という狂気のギャンブラーを演じるようだ。

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左京は「B.B.C.」という巨大密売組織のメンバーで、自分の命すら賭けの対象にする生粋のギャンブラー。悪役的なポジションで登場したキャラクターではあるが、最後までギャンブラーとしての美学を貫くなど、読者の共感を呼ぶ側面もある。

そんな左京の実写化に際して抜擢されたのが稲垣だ。すでに公開されているティーザー映像を見てみても、普段の柔和な印象から一変して、いかにも裏社会にいそうな長髪の男に仕上がっている。本編の配信はまだ先だが、ハマり役と見て間違いないだろう。

ところで稲垣が悪役を演じた作品といえば、2010年に公開された映画『十三人の刺客』が鮮烈に記憶に残る。ちょうどSMAPが19枚目のオリジナルアルバム『We are SMAP!』を出したくらいの年だが、同作で稲垣は明石藩主・松平斉韶という残忍な暴君を演じているのだ。

特に斎藤工が演じた牧野妥女を、無表情で斬り殺すシーンはまさに怪演のひと言に尽きる。倒れた妥女を念入りに斬りつけた挙げ句、「山猿の骨は硬いのう」となんでもないことのように言う様は、観客を凍り付かせるのに十分すぎる迫力と、得体の知れなさを放っていた。

稲垣自身は善良な人柄をイメージされることが多いにもかかわらず、なぜか“悪役”が回ってくることが多い。しかもそうした役柄に対して、抜群の適性を発揮しているように見える。


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