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UPDATE|2023/12/10

実写版『幽☆遊☆白書』左京役は大正解? 稲垣吾郎の “冷たい狂気”が底知れない怖さを生み出す

稲垣吾郎、19年ぶりのフォトエッセイ『Blume』(宝島社)



ひと言で悪役といっても、タイプは作品によってそれぞれ。例えば2010年に放送された竹野内豊&上戸彩の月9ドラマ『流れ星』(フジテレビ系)で稲垣は、ギャンブルで多額の借金を抱えたクズ男・槇原修一を演じていた。

物言いは穏やかで一見誠実そうにも見えるようなキャラクターだが、上戸彩が演じる妹に借金を押し付けたり、その結婚相手の岡田健吾(竹野内)からもお金をゆすったりと、紛れもない悪役。稲垣自身が醸し出す柔和な印象が、逆に“リアルなクズ男”感を演出していた印象だ。

また、11月10日より公開が始まった新作映画『正欲』では、検事の寺井啓喜を熱演。これはわかりやすい悪役ではないが、見る人によっては悪役としても映るという絶妙な役どころだ。

このキャスティングについて、監督の岸善幸氏は舞台挨拶で「稲垣さんは本当にジェントルマンでエレガントなのですが、どこか狂気性のようなものも垣間見える方」「段々と普通の価値観が揺らいでいき、狂気性が出てくるキャラクターなので、そういう意味で稲垣さんはピッタリでした」と語っていた。

フィクションの悪役といえば、露骨に残忍な表情を見せたり怒鳴ったりと、感情を露わにするタイプも少なくない。だが稲垣が得意としているのはおそらくそうした役ではないのだろう。悪を演じる稲垣の魅力は、言うなれば冷たい狂気。稲垣がいつもの“あの感じ”で穏やかに不穏なことを言うだけで、痺れるような緊張感が画面に生まれるのだ。

そういった意味でも実写版『幽☆遊☆白書』で演じる左京役は、稲垣にピッタリなキャラクターといえる。原作ファンをうならせるような演技を見せてくれることに期待しよう。

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