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UPDATE|2023/11/29

【何観る週末シネマ】地方スーパーがまさかの実名登場『翔んで埼玉 ~琵琶湖より愛をこめて~』

(C)2023 映画「翔んで埼玉」製作委員会

この週末、何を観よう……。映画ライターのバフィー吉川が推したい1本をピックアップ。おすすめポイントともにご紹介します。今回ご紹介するのは、11月23日(木・祝)より公開されている『翔んで埼玉 ~琵琶湖より愛をこめて~』。気になった方はぜひ劇場へ。

【写真】GACKTの演技にも注目、『翔んで埼玉 ~琵琶湖より愛をこめて~』場面写真【14点】

〇ストーリー
その昔、東京都民からひどい迫害を受けていた埼玉県人は自由を求め立ち上がった。麻実麗・壇ノ浦百美をはじめとする埼玉解放戦線の活躍により通行手形制度が撤廃され埼玉は平穏な日常を手に入れた。しかし、それは単なる序章に過ぎなかった…。さらなる自由と平和を求め、埼玉の心をふたたびひとつにするため、埼玉解放戦線は次なる野望へと突き進む。〜日本埼玉化計画・第Ⅱ章 東西対決〜遥か西の地・関西へと飛び火したこの事態は東西の天下を分かち全国をも巻き込む大事件へと発展していく。史上類を見ない壮絶なディスバトルの火蓋が今、切られようとしていた……。

〇おすすめポイント
「パタリロ!」でお馴染みの魔夜峰央原作の同名漫画を映画化した前作『翔んで埼玉』(2019)では、原作をも上回る壮大な埼玉ディスりが話題となり大ヒットを記録。そしてまさかの続編が制作されることに……。

続編となる今作『翔んで埼玉 ~琵琶湖より愛をこめて~』では埼玉近辺だけではなく、関西も巻き込み、特にタイトルにある通り琵琶湖のある滋賀県もターゲットとなり、ディスり範囲が大幅スケールアップ。

悪意はあるけど、もはやぶっ翔びすぎていて許せてしまうレベルのディスり合戦。何より実際にある固有名詞が飛び交うこともあって、ディスられているのに、あまりにも地域に密着したようなネタの連発に嬉しくもあるという、何だか不思議な感覚にさせられる作品だ。

ふざけた内容だというのに、GACKTが大真面目に演じているギャップが作品の大きなスパイスとなっている。彼なしでは成立しない作品であることは言うまでもないが、他の出演者も大真面目に演技していることで、全体的に演技の質は良いというのも一周回ってギャグになっている。

それは「テルマエ・ロマエ」などで培ってきた武内英樹演出による高等技術ともいえるが、ひとつ間違えると「ルバンの娘」のようになってしまう場合もあったりと、微妙なバランスが強いられるなかで今作は成功しているといえる。

それだけではなく、実生活で夫婦の片岡愛之助と藤原紀香が作中でも夫婦役で出演するなど、他では観ることができないような共演などのリアルなリンクにも注目してもらいたい。

衝撃的だったのは、滋賀県が発祥の地であり、関西と東海地区ではお馴染みのスーパー「平和堂」がまさかの実名で登場したこと。平和堂で買い物をしたことがあるなら一度は聴いたことのある平和堂のテーマソングをスクリーン越しで聴くことになるとは誰が予想しただろうか。

さらに追い打ちをかけるように高橋メアリージュンが平和堂マークの旗をかかげ、GACKTがポイントカードの「HOPカード」を手にするなど、信じられないような画が展開される。

前作は「Fly Me To The Saitama」というタイトルでイタリアとカナダの映画祭で上映され話題となったが、よりディープでマニアックになってしまった今作が海外展開されるのかは不明だ……。

(C)2023 映画「翔んで埼玉」製作委員会

〇作品情報
■タイトル 『翔んで埼玉 ~琵琶湖より愛をこめて~』
■公開日:2023年11月23日(木・祝)
■キャスト:G A C K T、二階堂ふみ、杏、片岡愛之助ほか
■原作:『このマンガがすごい!comics 翔んで埼玉』 魔夜峰央(宝島社)
■監督:武内英樹(「のだめカンタービレ」シリーズ、「テルマエ・ロマエ」シリーズ、「ルパンの娘」シリーズほか)
■脚本:徳永友一(「探偵の探偵」「僕たちがやりました」『かぐや様は告らせたい』シリーズ、『ライアー×ライアー』ほか)

【あわせて読む】『翔んで埼玉』続編にハイヒール・モモコら”京阪神勢”が出演、藤原紀香は片岡愛之助と夫婦役共演

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