FOLLOW US

UPDATE|2023/12/27

「M-1グランプリ 2023」優勝・令和ロマン、“新星”と呼ばれる2つの理由

令和ロマン

毎年新たなスターを生み出してきたM-1グランプリだが、今年ほどその特色が濃くなったのは久方ぶりだろう。近年はウエストランド(2022年)、錦鯉(2021年)、マジカルラブリー(2020年)などM-1グランプリ決勝に複数回目出場で優勝を果たしたコンビが続いていた。さらに、どのコンビも十分に芸歴を重ねていたため、新たな売れっ子誕生の瞬間ではあったとしても、「ニュースター」という感覚は薄かった印象だ。翻って、M-1グランプリ2023を制した令和ロマンは世間的には新星と言っていいのではないだろうか。

【関連写真】令和ロマンも出演したABCお笑いグランプリ

令和ロマンは「新星」感があるとはいえ、旧コンビ名の魔人無骨時代から天才として知られ、NSCは首席で卒業、NHK新人お笑い大賞で大賞、ABCお笑いグランプリ準優勝など経歴は華々しい。昨年のM-1グランプリ敗者復活戦でも大いにステージをわかせたのは記憶に新しいが、それでも「新星」と呼べるのには2つの理由がある。

まずは若さ。ツッコミの松井ケムリは30歳だが、ボケの高比良くるまは29歳。20代で王者となったのは霜降り明星以来となる。無論、霜降り明星はいずれも20代(せいやは26歳、粗品は25歳)で戴冠しているため、その天才ぶりが際立つが、芸歴に関しては令和ロマンに軍配が上がる。令和ロマンは芸歴6年で優勝を果たし、これまで芸歴では最短優勝であったせいやも「令和ロマンおめでとう!!」と祝福した後に「芸歴最年少抜かれた!」と認めている。

もう1つは大会の歴史そのものを変えた点。M-1グランプリのトップバッターは採点が基準点になってしまうこと、観客の空気をつかむのが難しいことなどが理由として、圧倒的に不利になるのは周知の事実。優勝したのは第1回の中川家のみ、最終決戦に進んだのも笑い飯のみ(2005年)で、近年エントリー数が増え続けレベルも青天井となる賞レースにおいてトップバッターとして優勝したのはまさに快挙だった。

もっとも、この偉業ですら必然だったと見ることはできる。

令和ロマンはトップバッターを引いたことで用意していた4本のネタのうちから、転校生がぶつかったところから様々なことを推察するしゃべくり漫才で挑んだ。トップとなったことで最終決戦に進むのは難しく、会場の空気を温めることができると考え、このネタを選んだとくるまは明かしている。

AUTHOR

まっつ


RECOMMENDED おすすめの記事