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UPDATE|2023/12/06

Aマッソ加納が振り返る、売れなかった“あの頃”「 2人してトガって、社会性が全然なかった」

Aマッソ 加納愛子 撮影/松山勇樹

実力派として人気のお笑いコンビ・Aマッソの加納愛子が、2冊目となる最新エッセイ集『行儀は悪いが天気は良い』(新潮社)を発売した。Aマッソのネタ作りを担当する加納は、小説集を刊行するなど文筆業でも活躍。本書では、まだなにものでもなかった“あの頃”や芸人の日常などを持ち前の鋭いワードセンスでつづっている。今回、加納が著書に込めたこだわり、また売れなかった時代のこと、芸人への思いなど話を聞いた。(前後編の前編)

【写真】最新エッセイ集を発売したAマッソ加納愛子

『行儀は悪いが天気は良い』には、文芸誌『小説新潮』での連載エッセイ23本と書き下ろし1本を収録。連載スタート時には、編集担当から「芸人になる以前の話を」とテーマを渡されたという。

「雑誌での連載が初めてだったので、絶対に〆切を守らなくちゃいけないという緊張感もあったし、過去のことを振り返るのは正直しんどいときもあって(笑)。あんまりノスタルジーに寄りすぎてもな、みたいなところもあったので、最近の話も入れつつ勝手にバランスを取って書かせてもらいました」

実家に出入りしていたヤバいおっちゃんたちや学生時代のエピソードなど、今の加納をかたちづくってきたもの、芸人としての原点の話題が多い。親友・フワちゃんの素顔をつづった「友だち」には連載当時、大きな反響があった。

「フワちゃんの回は、本当に素直に書けたなと思いますね。もうちょっといろんな角度から書くこともできたでしょうけど、シンプルに書けたからこそ話題になったのかなと。フワちゃん本人にも喜んでもらえたし。フワちゃんのお母さんがうれしくて泣いたらしいです。『こんなによく書いてくれて!』って(笑)」

学生時代は芸人ではなく、映画関連の仕事を目指していたという加納。だが、自分の半生を振り返った今回のエッセイを通じ、「芸人は自分の天職ではないけど、芸人になろうとする人間ではあったな」と気付いたという。


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