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UPDATE|2023/12/06

Aマッソ加納が語る今のテレビ「女性芸人にとってやりやすい環境になった、これが当たり前じゃない」

Aマッソ 加納愛子 撮影/松山勇樹

実力派として人気のお笑いコンビ・Aマッソの加納愛子が、2冊目となる最新エッセイ集『行儀は悪いが天気は良い』(新潮社)を発売した。Aマッソのネタ作りを担当する加納は、小説集を刊行するなど文筆業でも活躍。本書では、まだなにものでもなかった“あの頃”や芸人の日常などを持ち前の鋭いワードセンスでつづっている。今回、加納が著書に込めたこだわり、また売れなかった時代のこと、芸人への思いなど話を聞いた。(前後編の後編)

【前編はこちら】Aマッソ加納が振り返る、売れなかった“あの頃”「 2人してトガって、社会性が全然なかった」

【写真】最新エッセイ集を発売したAマッソ加納愛子

文芸誌に短編小説を発表するなど、エッセイ以外の場所でも文筆家として活躍の幅を広げている加納。執筆の仕事には発見も多いという。

「意外と自分のパーソナルなことにも興味を持ってもらえるんだなと思いました。ラジオもそうですけど、絶対にボケなくちゃいけないわけじゃないし、興味深いという方向の面白みを持ってもらえると分かったので、自分も何か発信してもいいんだなと思えるようになりました。昔は芸人として面白く思ってもらえばいいと、自分のパーソナルなことはあんまり言いたくないな、という気持ちがありましたけど、それがちょっと薄くなってきたかも。でも、だからといってSNSはやりたくないですけど(笑)」

芸人には珍しくSNSの発信には消極的。それも「プライベートはちょっと隠しておきたい」というこだわりらしい。

「自分が表現したいことは、すべてアウトプットしているので、SNSで出せるものがないという感じもありますね。でも、多分Aマッソは2人ともSNSにあまり興味がないんだと思います。もし自分がずっと売れなくて仕事もなかったら自分から発信しなくちゃいけない可能性もあったので、そう思うと今の状況はすごくぜいたくというか。今後、気持ちが変わってやる可能性もあるかもしれないけど、どうだろう。そのときは必要に迫られたんだなと思ってもらいたい(笑)」

執筆の仕事は「芸人としての活動と地続きにあるもの」だというが、執筆が続くと「ライブが怖くなる」とも明かす。

「書き仕事とか、脳みそを使う会議や打ち合わせが続いたときに、ポンっとライブが入るとなかなか立ち上がらないときもあります。考えるという作業においては、めっちゃ遠いものでもないですけど、執筆は脳のなかで全部が完結するので、身体に落とし込んで肉体から世に出るネタ作りとは、その感覚がちょっと違うなと思いますね。

毎日舞台に立っていないと感覚が身体から離れちゃうので、執筆が続いたあとのライブはすごく怖いですね。いろんな仕事をさせてもらえるからこそ、1回ごとのライブも大切にしようというか…。ライブばっかりやっていた昔と今は全然違いますね」


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