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UPDATE|2024/02/25

櫻坂46 藤吉夏鈴が『アオハライド』『つくたべ』で見せる存在感、表現者としての奥の深さ

藤吉夏鈴 「blt graph.vol.91」表紙より(東京ニュース通信社)


藤吉が演じた時に見せる、物語性の深さが大きく注目され始めたのは櫻坂46の楽曲『偶然の答え』(2021年)のMVにて。短い映像の中にしっかりストーリーが描かれていて、藤吉の「カリン」が、高校時代の過去を振り返って映像が展開されていく。高校生のカリンは、親友のリコ(永瀬莉子)に思い切って告白するが、それは同性への好きを越えた愛情であり、リコとの関係にヒビが入ってしまう。

表向きは学校で穏やかに過ごす2人だが、カリンは卒業を機に俳優を目指して上京することをリコに告げて想いを断ち切り、ラストには、渋谷の街で大人になったカリンがこちら側を振り返るカットで終わる。短編ではあるが、ズームアップされる藤吉の表情、リコに向けて見せる笑顔を見た人はカリンのリコへの想いの深さや、上京を決めた心の中を想像したくなる。

その後、22年には恋愛バラエティ『あざとくて何が悪いの?』(テレビ朝日系)内の「あざと連ドラ」では、大手広告代理店で働く今井愛香役で第5弾・第6弾に出演。第6弾は愛香を主演に描かれ、働く格好よい女性の姿もものにしていた。

「Start Over‼」のライブパフォーマンスでも注目を集め、昨今の櫻坂46の躍進の屋台骨を担ってきた藤吉。抜群のトーク力、あるいは万人受けするビジュアルの持ち主ではないかもしれないが、たたずまいには「もっとこの人を見ていたい、知りたい」と思わせる吸引力がある。そんな、映像の作り手の創造力をくすぐる藤吉は、これからも多彩な役で印象を残していくことだろう。

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