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UPDATE|2024/05/30

生見愛瑠『くるり』と広瀬アリス『366日』が描く記憶喪失の理想と現実…過去より今を愛せるか?

『366日』(フジテレビ系)公式サイトより

2024年春ドラマでは、記憶喪失をテーマにしたドラマが5本と乱立している。今回はその中で、広瀬アリス主演の『366日』(フジテレビ系、月曜21時)と生見愛瑠主演の『くるり~誰が私と恋をした?~』(TBS系、火曜22時)における記憶喪失の理想と現実、男女の関係性を比較したい。

【関連写真】記憶喪失となった人の周囲の「理想」と「現実」を描いた2作品

広瀬アリス主演の『366日』(フジテレビ系、月曜21時)の第8話では、記憶喪失となった眞栄田郷敦演じる水野遥斗に対し、広瀬演じる雪平明日香がついに新たな気づきを得ることになった。

第1話終盤、事故で頭を打ち意識不明の重体になった遥斗は、第4話で目を覚ますも記憶喪失の状態が続いてきた。思い通りに日常の動作や仕事が出来ないだけでなく、恋人の明日香を含めた高校時代の同級生についても全く思い出せずにいた遥斗。

そんな彼に対し、遥斗と仲良し5人組だった明日香、小川智也(坂東龍汰)、下田莉子(長濱ねる)、吉幡和樹(綱啓永)の4人は、遥斗が自分達を思い出せるよう、楽しかった高校時代について話したり、かつてのようにキャッチボールをしたり、遥斗にとって思い入れのある高校の桜の写真を見せたりと奮闘してきた。

しかし遥斗はキャッチボールという“動作”は思い出せても、4人がどんな人物だったかや、高校時代の風景は思い出せず、いつしかそんな自分に引け目を感じていた。親身になって世話をする明日香に、過去の記憶は無くともあらためて恋をした遥斗。だが、明日香の誕生日を忘れてしまったり、思い出せていないのに記憶が戻ったふりをして、かえって明日香を落胆させてしまったと感じていた。

他の同級生3人も、かつて遥斗がプロデュースしたレストランで定期的に集まったり、花火大会を見に行ったり、コテージで忘年会を開くなど、一緒に過ごすことで遥斗の力になりたいと思っていたが、遥斗にとっては“周囲に気を遣わせている”状態にあった。

その忘年会では、遥斗と同じ野球部だった智也が当時の動画を4人に見せた際、明日香は盛り上がる周囲に対し、寂しそうにしている遥斗に気が付き、「もういいじゃん、食べよう」と動画を停止するよう頼んだ。これは、明日香が忘年会前に、遥斗の担当看護師で、過去に遥斗と関わりがあった宮辺紗衣(夏子)に「今の水野さんをちゃんと見てあげて下さい」と指摘されたからだった。


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