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UPDATE|2024/06/30

今こそ観返したい『古畑任三郎』の傑作回といえば? 大物ゲストが登場した3つの傑作エピソード

福山雅治や江口洋介などのビッグゲストが登場した1999年放映の『古畑任三郎 3rd season 1』DVD(フジテレビジョン)

フジテレビの傑作ドラマ『古畑任三郎』が放送30周年を迎えた。同作は田村正和演じる刑事・古畑任三郎が、完全犯罪を目論む犯人たちのトリックを解き明かしていくミステリードラマで、毎度豪華なゲスト著名人が犯人役を務めることでもお馴染みだった。

【関連写真】当時50歳ながら圧倒的若さ、古畑任三郎(第1シリーズ)の田村正和

アニバーサリーイヤーということでフジテレビの「ハッピーアワー」枠で一挙再放送が行われた一方、TVerでは見逃し配信も実施されている。そこで今回は、この機会にぜひとも観ておきたい珠玉のエピソードを3つご紹介していこう。

■シーズン1エピソード1「死者からの伝言」
まず観てほしいのはやはり、記念すべき第1シリーズの第1話「死者からの伝言」だ。この回の衝撃といえば、1980年代に一世を風靡した伝説的女性アイドル・中森明菜が犯人役を演じていることだろう。

あらすじとしては、中森演じる世間知らずの少女コミック作家・小石川ちなみが、イケメン編集者との恋に落ちるも、自分が遊ばれていることに気づき、凶行に及んでしまう……というもの。大雨に振り込められた上に車が故障し、立ち往生していた古畑が、偶然ちなみの別荘を訪れたことから、完璧だったはずの犯罪計画が少しずつ崩れていく。

ご存じの通り、『古畑任三郎』はいわゆる倒叙形式のミステリーで、冒頭で犯人による犯行が描かれた上で、探偵役が謎を解いていく流れとなっている。第1話目からそのスタイルは確立されており、古畑がちなみとの会話の中でアリバイトリックの穴を突いていくのが大きな見どころだ。

さらに同エピソードが斬新だったのは、作中に登場するのが古畑とちなみの2人にほぼ限定されていたこと。数多くの登場人物が出てきて最後に“犯人当て”が行われる……そんな従来のミステリードラマとは一線を画したスタイルであることを、この上なくハッキリと示している。

なお記念すべき1話目の犯人ということもあり、ちなみの存在は後のエピソードでも度々言及され、“その後の人生”が明かされている。古畑ファンなら一度は観ておきたい原点にして頂点のエピソードだ。

■シーズン2エピソード1「しゃべりすぎた男」
半世紀近くの間、お茶の間を笑顔にし続けている明石家さんま。シーズン2の第1話「しゃべりすぎた男」では、そんなお笑い界の大物が犯人役を演じている。役柄としては「マシンガントークの敏腕弁護士」というもので、お馴染みのおしゃべりによって法廷で無双するシーンは一見の価値ありだ。

同エピソードでは、さんま演じる弁護士・小清水潔の策略により、古畑の相棒である今泉慎太郎巡査(西村雅彦)が殺人事件の犯人として逮捕されてしまう。さらに真犯人である小清水が今泉の弁護人となり、表向きは弁護するフリをしながら、彼が犯人であるというイメージを周囲に刷り込んでいく。そして古畑は今泉側の証人として法廷に立ち、小清水の激しい口撃をいなしながら、真相を暴いてみせるのだった。

“役者としての明石家さんま”を存分に活かした見事な脚本と言えるが、終盤の展開もなかなかユニークだ。同作では古畑がひょうひょうとした態度で犯人を追い詰めていく真相解明パートが見どころとなっているが、この回は犯人がそれに負けないほどの反論を見せるレアな展開が描かれている。


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