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UPDATE|2022/03/02

清純派アイドルが語る“不倫ドラマ”の深すぎる魅力「グラつく結婚感、本当の幸せが何かを考えます」

撮影/松山勇樹


「とにかく不倫ドラマでは信じられない展開が連発されるから、それについてLINEで討論するのが最高に面白いんですよ。意見が真っ二つに分かれることも多いですし。たとえば『あなたのことはそれほど』では東出昌大さんが浮気された夫を演じるんですけど、これが何を考えているのかわかないサイコパス的な薄気味悪さ全開の怪演なんです。でも私の友達は『あの一途な気持ちに泣いた』とか感情移入していたから、さすがに耳を疑いましたね。

 ドラマを観ながら、理想の結婚について話すことも多いです。結婚は本当に好きな人と一緒になる行為だと私は固く信じていたんですよ。でも不倫ドラマを観ると、その考えがグラついちゃって……。自分が本当に好きでも、相手は女性やお金にだらしない人かもしれない。それでも一緒になることが幸せなのか、そのへんは微妙かなって。そもそも結婚は恋愛の延長ではなく、生活していくためのものという考えだってありますしね。今の私にとっては不倫どころか結婚すらもはるかに遠い存在ですけど、本当の幸せが何なのか、不倫ドラマが考えさせてくれるのは間違いないです」

 かつて『昼顔~平日午後3時の恋人たち~』(フジテレビ系)が人気を博したとき、その内容に感化された主婦たちが不倫に走るという行為が話題になった。しかし、浜辺は「浮気だけは絶対ありえない」と強い口調で断じる。

「不倫ドラマを観れば観るほど、浮気は許されないという気持ちが強くなっていきます。だって必ず誰かが悲しむわけじゃないですか。実人生でやったら取り返しがつかなくなりますし。ドラマを観て不倫に憧れるなんて意味がまったくわかりません。私自身は浮気なんて200%できないだろうけど、じゃあ好きでもない不倫のドラマをなぜ観るかというと、現実にはありえないからなんです。実在しないのがわかっているのにゾンビ映画を観るのと感覚的には似ているかもしれない」

 近年の不倫ドラマの特徴は、単なる惚れた腫れたのラブストーリーにとどまらない点にある。カネや殺人などのミステリー・サスペンス要素が絡むことが多く、複雑な人間関係や虚々実々の駆け引きに視聴者は息を呑むのだ。

「観ていてハラハラするし、どうなってしまうのか次の展開が気になって仕方ないです。あと不倫ドラマで注目してほしいのは、俳優さんたちの演技力! どうかしているような狂気をはらんだ演技が多いから、おもわず笑っちゃうこともあるくらいで……。たとえば第1話では幸せそうにしていた奥さんが、夫の浮気で家庭がめちゃくちゃに破綻すると最終話では復讐鬼みたいに豹変していたりするわけです。

人格が壊れていく様子、感情がブチ切れる瞬間、相手を追い詰めていく執念……不倫ドラマってかなり演技力が問われるジャンルだと思うんですよ。『奪い愛、冬』(テレビ朝日系)の水野美紀さんや『ギルティ』(日本テレビ系)の中村ゆりかさんなんて、本当に圧倒されるような迫力ですからね。もともと中村さんは朝ドラに出ている美少女のイメージが強かったけど、ここで一気に女優としての才能が爆発した気がします」
AUTHOR

小野田 衛


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