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UPDATE|2022/03/19

渡辺正行が振り返る芸人への道「きっかけは落研、先輩・立川志の輔さんの落語を見て衝撃を受けた」

渡辺正行

明治大学在学中にラサール石井、小宮孝泰とコントグループ「コント赤信号」を結成したリーダーこと渡辺正行。『ひょうきん族』でビートたけし、明石家さんまらと共演し、『M-1グランプリ』では6回もの審査員を務め、どの時代も第一線で活躍している。一方、1986年からは若手お笑い芸人の育成のための場、「ラ・ママ新人コント大会」を主宰。現在発売中の著書『関東芸人のリーダー お笑いスター131人を見てきた男』(双葉社)では、バナナマンやオードリーなど数々のお笑いスターたちの若き日々を綴っている。今回、改めてその濃厚すぎる、リーダーのお笑い人生について話を聞いた。(前中後編の前編)

【写真】どの時代も第一線で活躍する、リーダーこと渡辺正行の撮り下ろしカット【7点】

──『関東芸人のリーダー お笑いスター131人を見てきた男』(以下『関東芸人のリーダー』)は、これまでの芸人人生、そこで直に見てきた数々のお笑いスターのエピソードなどを綴った半自伝的な内容ですが、改めて過去を振り返ってみていかがでしたか?

渡辺 ずいぶん前にも本を出したことはあったんですが、60歳を過ぎてから改めて人生を振り返って、自分の中で整理することで新たに見えるものもあって面白かったですね。

──もともとお笑い芸人は目指していなかったそうですが、芸能界に興味はあったんですか?

渡辺 中学高校と剣道に打ち込んでいたので、お笑いどころか芸能界にも一切興味がなかったんです。きっかけは明治大学の落研(落語研究会)に入ったことです。先輩に立川志の輔さんや三宅裕司さんがいらして、当時から落語も面白くて、僕にとって憧れの方々だったんです。

──高校時代から人前に出るのは好きなほうだったんですか?

渡辺 あまり意識はしていなかったんですが、そういうことをやっていたんですよね。たとえば文化祭では、自分で劇の台本を書いて、役者としても出ていたんです。あと剣道部の予餞会で、女子からスカートを借りて、同級生と2人でカツラを被ってベッツイ&クリスのモノマネみたいなこともしていました(笑)。後から考えると、そういうことが好きだったんでしょうね。

──落研はどうして入ろうと思ったんですか?

渡辺 落語が好きで落研に入った訳ではないんですよね。何かクラブ活動をやりたいなと思っていたんですが、楽しい大学生活を送りたいと思っていたので、もう剣道はいいやと。そんなときに落研の先輩たちが、着物を着て「落研楽しいよー」って新入生を勧誘していたんですよ。その姿を見て「バカな人たちが集まっていて楽しそうだな~」と思ったんです。

そんな軽い気持ちで入ったんですが、けっこう真面目に落語をやらなきゃいけない。確かに仲間といるのは楽しいんだけど、ちゃんと落語も見て勉強しなきゃいけない。僕は全く落語に興味がなかったですし、先輩の落語を見ても全然面白くなかったんですよ。古典落語や、こういう噺家がいるってことも勉強したんですが、面倒くさくて辞めようかなと思っていたんです。

AUTHOR

猪口 貴裕


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