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UPDATE|2022/08/24

「神セトリ」と話題に、松岡菜摘&神志那結衣 卒業目前、HKT48が本領を発揮した奇跡のステージ

HKT48(C)Mercury



前日、台風8号が関東を直撃。野外ステージなので開催が危ぶまれたが、前夜のうちに台風は通過してくれた。台風一過で快晴、とまではいかなかったが、日差しがない分、絶好の野外ライブ日和となった。

だが、それは見る側の論理。第1部がはじまってすぐにメンバーの表情を見て、ステージ上が異常に蒸していることを察知した。客席の後方は風が通るので、非常に快適だったのだが、まったく逆の現象がステージ上には広がっていた。

そういうことがわかってしまうのは今回のステージの特色。横に広い形状の会場なので、最後列でもかなりステージに近い。僕は最後列のさらにうしろから見ていたのだが、それでもステージ上のメンバーの姿は目視できた。それだけでも十分なのに、しっかりとスクリーンが設置されているのでメンバーの表情までよくわかる。コロナ禍で忘れかけていたが、サマステはそんな神現場だったことを一瞬で思い出した。2020年以前の夏の光景がそこにはあった(最後列よりうしろなので観客のマスク姿はまったく視界に入ってこないのだ)。

蒸し暑さMAXでもメンバーはフルスロットルで歌い、踊る。

印象的だったのは曲が変わるたびに、4期生の誰かがセンターを務めるという『4期無双』状態。全国ツアーで4期生の力量を如何なく見せつけられたが、4期生以降のメンバーだけのステージだと、それがさらに顕著なものとなる。実際にシングルの表題曲でセンターを務めたことがあるのは運上弘菜だけなのだが、誰でもセンターを張れることをこうやって実証されるとHKT48の未来は明るいな、とつくづく思う。もちろんドラフト3期生と5期生がメインとなる楽曲もあったし、この日のメンバーには入っていなかったが6期生もぐんぐん成長している。しかもシングル表題曲がほとんどない、という異色のセットリスト。いまだ見たことがないHKT48の景色がそこにはあった。

そしてMCコーナーを挟んでの後半戦で、その景色がガラッと変わる。

「HKT―っ! 48!!」

いきなり地頭江音々が叫んだ。えっ、まさか?と思ったら、そのまさかだった。AKB48の『RIVER』を若手メンバーだけでパフォーマンスする、という予想外の展開。あのころから48グループを見続けているおじさんにとっては胸熱すぎる衝撃だった。前述したようにステージ上はかなり蒸し暑い状況。そこでこの楽曲はかなりキツいはず(しかも、ここからのブロックはアゲ曲満載、なのである!)。フォローしてくれる先輩はこの日のステージにはいない。そんなシチュエーションが歌詞ともリンクして、さらにググッときてしまう。パーフェクトなステージだったかと言われたら、けっしてそうではない。でも、息も絶え絶えになりながらやりきった12人の姿は2022年夏を代表する「青春の光景」として、メンバーにも、そして目撃した観客の心にもずっと残るものとなった気がする。

AUTHOR

小島 和宏


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