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UPDATE|2022/09/15

「チャンスは自分で切り開くタイプ」飯豊まりえが振り返る、思い出のキャリア

撮影/飯酒盃智明

2008年に『avex kids×ニコ☆プチ公開モデルオーディション』でグランプリを受賞し、翌年に『ニコ☆プチ』でモデルデビュー以来、モデル・俳優・番組MCと活躍の場を広げてきた飯豊まりえ。声優としても2022年9月9日公開のアニメ映画『夏へのトンネル、さよならの出口』で初主演の機会をつかんだ。順調に芸能界でのキャリアを歩んでいるようで、「欲しいものは簡単に手に入ってもつまらない。プロセスも味わいたい」と考える堅実な一面も明かす。「苦労は見せたくないんです」と力まず自然体で歩んできた彼女に、作品でのポイントや芸能の仕事への心構えを聞いた。(前後編の後編)

【前編はこちら】「欲しいものが簡単に手に入ったらつまらない」飯豊まりえが明かす、地に足ついた人生観と家族への感謝

【写真】飯豊まりえの撮り下ろしカット【12点】

 飯豊の劇場版アニメでの声優としての出演は『劇場版シティーハンター〈新宿プライベート・アイズ〉』(2019)でのゲストヒロイン・進藤亜衣役以来になる。大都会東京を舞台にしたアクションコメディから3年、自身が主演として、田舎町が舞台の高校生の青春ドラマを声で演じた。

「作風は全く違いますよね。『シティーハンター』の時は作品の雰囲気を崩さずに、(長く演じてきた)声優の皆さんに合わせて演じていました。『夏へのトンネル』はこの作品で初めてアニメ化されますから、原作の八目さんや鈴鹿さんとキャラクターづくりを考えながら進めることができました。鈴鹿さんのカオルとの場面がほとんどで、2人同時の収録が多くて『共同作業』のように作っていくことができましたね」

映画では、そこに入れば欲しいものが手に入るという噂がある『ウラシマトンネル』が登場する。「ほしいものに対しては貪欲なところは似ているかも」と自身と花城あんずの共通点を考えながらも、ウラシマトンネルで大きな代償を払ってでも夢を叶えようとしたあんずと違い、「芸能の仕事では偶然の出会いというか。、来たものは拒まずの気持ちで受けてきました」と振り返る。

芸能活動の中で思い出に残っている経験に、「めざましテレビ」「にじいろジーン」などでのMCの仕事を挙げた。「放送時間内の限られた時間で共演の皆さんのいい反応が引き出せる、そういうアドリブ力は身に付きましたね。ドラマの現場ではなかなかできないことで。生放送で噛んでしまった時などはあとでSNSでツッコまれたりもしたんですが(笑)」

毎回現場や人が変わっても、いつも前向きに取り組んでこられたと思っています」

 楽して目標や夢が実現するのはつまらない。でも苦労している姿は人に見せない。「ウラシマトンネルのような魔法のアイテムを頼るのではなくて、自分の力でチャンスを切り開くきたいタイプですね」とポジティブかつ前向きでいた。『夏へのトンネル』の結末も「ほしいものや失くしたものは簡単には手に入らない。それよりも今を大切に生きることを、この作品は教えてくれているのかなと思います」と考える。

欲張らず現実目線だが、どんな現場でも糧にして成長していく気概は一貫してきた。声優業でも「ジブリ作品やディズニー映画に出て見たいっていう夢もありますが、私の声が合う!と思っていただけるものなら何でも演じていきたいです」とオファーを待っている。
AUTHOR

高史 大宮


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