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UPDATE|2022/10/31

『仮面ライダーオーズ』ヒロイン・高田里穂、「ここまで露出するつもりはなかった」11年ぶり写真集

高田里穂  撮影/荻原大志



地元撮影だからこそ、「心なしか顔つきが幼いというか、地元にいたときの自分の表情」と高田自身も驚くほどの素がにじんだ。ほかのロケーションも思い出が詰まっているという。

「浴衣で撮影をした高良大社は芸能の神と言われているので、帰ったら毎回行くようにしているんです。あいにくの天気だったけど久留米の街を一望できるので懐かしかったですね。お気に入りは西鉄電車をバックにしたカット。電車の水色がすごくかわいいので、『ここで撮ったら映えると思うんですよね』と提案しました」

この11年の間にもさまざまな作品に出演し、モデルとしても活躍してきた高田。その経験があったからこそ、撮られる意識も出来上がった作品にも「11年前と比べて雲泥の差」と語るほど大きな変化を感じている。

「当時はまだ15、16歳だったから、スタイルをよく見せることを意識していなかったんですよ。ただ表情を変えていくだけというか、どう映っているかを理解していなかったので、出来上がった写真を見て『あ、意外といいじゃん』と思うくらいのレベル。でも今は撮られながらどういうふうに映っているかを常に俯瞰で見ているというか、『さっきは笑顔が少なめだったからこのカットはもう少しテンションを上げていこう』とか、意識的に陰から陽まですべての表情を出したいなと思って撮影しています」

写真集の後半では、幼少期の写真とともに高田が書いたコラムも掲載。「文章を書くのは好き」だと話す彼女が撮影後に書き上げた3000字に及ぶ文章は、写真集により深い彩りを加えている。

「小さい頃の写真を載せたいというのは私の意見で、文章はインタビューを想像していたんですけど、担当編集の方からコラムという形でご提案いただいて。なら撮影から時間が経ってから書いた方がもっと面白味のあることが言えるんじゃないかと思って、締切ギリギリに書きました(笑)。

私、文章を書くときってあまり身構えないんです。言葉遣いとかはこれでいいのかなと思って書き直したりしましたけど、本当に思ったことを書いているので、詰まることもなくて。あんまり気が進まないことは、やりたくないことで向いていないことだけど、パパッとやれることは向いているというか、やるべきことなんだなと思っています」

写真集のタイトルは『完成された未完成』。28歳になってnoteにアップした記事のタイトルも「未完成」と、ここまで歩んできた道のりの中で「未完成」という言葉は高田にとって1つのキーワードになっていた。

「『もっとここを埋めたい』『もっとこうしたい』と、私は足りてない部分にばっかり目が行っちゃうんですね。でもこの写真集の撮影を終えた直後に、『私っていつまでも足りてない部分を探しているなぁ』と思ったんです。もちろんそれはこれまでの人生では必要なことだったし、今も未完成ではあるんだけど、これだけ精一杯対峙してきたんだから向き合うことはもう完成されたんじゃないか、とも思って」

それゆえに、『完成された未完成』というタイトルは高田の中でも大きな意味を持つ。

「どれだけ生きていても絶対に未完成で、完璧だと思えることは絶対にない。だったら未完成の部分を追うのはちょっと離れてみて、やりたいことや楽しいこと、伸ばしたい部分に着目してみようと思うんです。そうでないとしんどいですし。それで、のびのびと好きなことを楽しくやっている自分になりたいという気持ち、これまでの日々にありがとうという意味を込めて『完成された未完成』というタイトルになりました」

1つの区切りをつけた彼女は晴れやかな顔で語った。

「今は写真集に収められた写真のように、解放された気分ですね。羽根が生えたんじゃないか思うくらい、どこにでも行けそうな明るい気持ちです」

(取材・文/東海林その子)

▽高田里穂(たかだ・りほ)
1994年8月16日生まれ、福岡県出身。女優・モデルとして活躍しており、代表作には特撮ドラマ『仮面ライダーOOO』(テレビ朝日)などがあげられる。
Twitter:@RihoTakada
Instagram:riho__takada
CREDIT

取材・文/東海林その子 撮影/荻原大志


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