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UPDATE|2023/01/14

“最強のアイドル遺伝子” ukka 芹澤もあ 「成長させてくれたママのスパルタ特訓」

芹澤もあ 撮影/荻原大志



女優枠で声をかけられたものの、面談の中で芹澤が「アイドルをやりたい」と伝えたことで、事態は急変。私立恵比寿中学の妹分ユニットとして立ち上がったばかりのukkaの前身・桜エビ~ずへの加入が決定したのだ。

しかし、本当に大変なのはここからだ。まだ始まったばかりのグループだったとはいえ、他のメンバー5人は自分よりも年上ばかり。ダンスや歌のスキルもまったく追いつかず、挫折感に打ちのめされたという。

「新メンバー加入ってことでお披露目したのはいいんですけど、しばらくはライブに全然出られなくて。『1曲だけ歌う』とか『カバー曲だけ参加』とか、そんなことが続いていましたね。要は下手すぎるということで、ステージに出ることができないんですよ。レッスンは午前の部と午後の部があったんですけど、私は学校の関係で午前だけしか参加できなかった。午前だけだと、ストレッチとかのアップでほぼ終わってしまうんです。だから『みんなは午後に何しているの?』って不安がますます大きくなりました。追いつけないどころか、どんどん引き離されているような状態で」

 このままではヤバい──そう危機感を覚えたのは本人のみならず、母親も同様だった。家庭内でひっそり行われた、スパルタアイドル特訓は壮絶を極める。

「本当に厳しかったですね。たとえば歌詞を3曲覚えるまでは寝させない、とか。それも自分のパートだけじゃなくて、他のメンバーの分も含めてですからね。『それでは聴いてください。次は~』とか言いながら、親の前で泣きながらライブしていました。『他のメンバーはこんなことしていないよ?』とか訴えても、『いいから口応えしないで覚えなさい!』ってピシャリと言われるだけ。ダンスも私が全然できないものだから、学校に行っている間にママが覚えてくれて、私に教えてくれるんです」

もちろん母としても愛のある叱咤激励であることは間違いない。そんな親の熱い想いは娘にも確実に伝わった。

「あのときは絶望したけど、冷静に振り返るとママのやり方だからこそ私は成長できたんです。それは本当に間違いないでしょうね。コンサートはもちろんだけど、雑誌の撮影とかも含めてお仕事に関わることは全部ママが細かくプロデュースしてくれていましたから。でも最近は『ダメ出しする点があったら教えてください』とダンス動画を送っても、『特にない』とだけ返事が来ることが多いんです。なんだか、それはそれで寂しいです(笑)」

結成当初の桜エビ~ずは、スターダストプロモーションに所属するアイドルだけあって、私立恵比寿中学やももいろクローバーZと似たテイストを色濃く感じさせていた。しかしメンバーの成長とともに、グループは徐々に独自色を打ち出すようになる。芹澤が自分の居場所を見つけたのは、まさにそんなタイミングだった。

「最初のうちは白とピンクの可愛い衣装だったんです。それこそ私が憧れていた王道アイドルっぽい感じ。ところがあるとき、フィッティングに行ったら真っ黒な衣装が用意されていまして……。曲もカッコいい感じに変わっていたし、『どうしちゃったの?』ってア然としました。それが『わたしロマンス』のときだから2017年。ちょうどその頃にグループのロゴも変わったりして、一気にいろんなことが動き出したんですよね。

あとは2021年に新メンバー(結城りな、葵るり)が加わったことも私の中では大きかったです。2人は年上だから最初はどう接していいのか悩んだけど、先輩としてしっかりしなきゃいけないと自覚が出ました」

もう今の芹澤は、自信がなった加入当初の少女とは別人だ。ファンは天真爛漫なキャラと唯一無二の力強い歌声を全面的に支持。最年少ながらグループを牽引する中核メンバーへと成長している。

(取材・文/小野田衛)

▽芹澤もあ(せりざわ・もあ)
2006年1月18日生まれ、東京都出身。2016年からアイドルグループ ukkaのメンバーとして活躍している。
Twitter:@moa_serizawa
Instagram:moa_serizawa
CREDIT

取材・文/小野田衛 撮影/荻原大志


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