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UPDATE|2023/02/10

今夜、地上波初放送『トムとジェリー』実写×アニメの“ハイブリット”映画はなぜ面白いのか

映画『トムとジェリー』

2021年に公開された実写とアニメのハイブリット映画『トムとジェリー』が、日本テレビ系金曜ロードショーで2月10日(金)に地上派初放送される。今回は実写×アニメ作品を紹介しながら、ハイブリットアニメーション映画の魅力について考えていきたい。

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『トムとジェリー』といえば1940年に誕生し、80年以上に渡り世代を超えて愛されてきた名作アニメーションだ。7回のアカデミー賞に輝いたネコのトムとネズミのジェリーの名コンビが巻き起こすドタバタ劇は痛快で、大人も子ども楽しめる名作といえる。

映画『トムとジェリー』で新人スタッフ・ケイラを演じた女優のクロエ・グレース・モレッツは、公式インタビューでハイブリット映画の魅力について、こう答えている。

「ストーリーの舞台はニューヨークだし、雰囲気も街並みもニューヨークそのものなのに、周囲を見回すと、飼い主と散歩中の犬や料理の皿に乗った魚がどれもアニメーション。つまり、現実とフィクションが同居しているの。そういう現実離れした感覚が気に入ったわ」

また、ケイラの上司・テレンスを演じたマイケル・ペーニャも、「現実世界でふたりが動いてるんだ。それって最高だよね!」と、実写とアニメが融合することで作品の幅が広がったこと絶賛している。

ハイブリッドアニメーションは、我々が馴染みのある実写の世界で、アニメのトムとジェリーが縦横無尽に駆け回る姿を観ることができるなど、現実世界とファンタジーを両方楽しめることが最大の魅力だといえるだろう。

しかし既存のアニメ作品の世界観を壊さずに現実世界と二次元のキャラクターをリンクさせるのは容易ではない。

映画『トムとジェリー』では、違和感のない世界観をつくるために総勢29人のアニメーションチーム結成し、なんと2万5000点以上にのぼる原画を製作。さらには初代のアニメーターが確立したギャグの間合いを尊重し、オリジナルのテレビシリーズ100話以上のエピソードを参考に徹底的に研究したという。

また特殊効果と視覚効果のチームは、撮影用のダミーとして“二次元キャラクターの立体モデル”を用意し、リアル感にこだわった。

二次元キャラクターを相手にする場合、通常であればテニスボールや小物をキャラクターに見立てて俳優は演技をしなければならない。だが今回はリアルに作られたダミーが相手になったおかげで、俳優陣は演技に力が入り、より臨場感のある場面を撮影することに成功したそうだ。

このように最新の技術を駆使しながら、制作陣と俳優陣が並々ならぬ努力をした結果、実写とアニメーションが最大限に活かされた『トムとジェリー』が誕生したのだろう。


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