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UPDATE|2023/02/21

アプガ(プロレス)渡辺未詩がリングで感涙、コロナ禍で再認識した観客の歓声の力

(C)東京女子プロレス



2018年のTOKYO IDOL FESTIVALではアイドルとしてスマイルガーデンのステージに立ち、さらにプロレスラーとして路上プロレスにも参戦。渡辺未詩も「アイドルとしての夢が叶っただけではなく、プロレスと両立していることも認めてもらえた」と手応えを感じていた、という。しっかりと両立の道を切り拓いてきたのだが、コロナ禍でアイドルとしての活動は縮小せざるを得なくなってしまう。これまで活発に展開してきたライブハウスでの対バン自体がほとんどなくなってしまったからだ。

「ただ、コロナ禍でもプロレスはかなり早い段階で興行が再開されたので、私たちはリングで歌い続けることができたんです。きっとアイドル業界の中で、私たちがこの3年間でもっともたくさんのライブをやってきたんじゃないですかね?」

昨年7月、大田区体育館での試合で久しぶりに観客の声出しと紙テープの投げ入れが条件つきながら認められたのだが、歌のコーナーで歓声を浴びた渡辺未詩は感涙を流した。アイドルもプロレスも、そこにお客さんがいないと成立しない。ただ、大きな歓声に包まれたことで「お客さんと一緒に作りあげていくもの」であると再認識もできた、という。ただただ感涙を流したのではない。これからよりよいものをアイドルとして、プロレスラーとして観客と一緒に作りあげていく、という決意の涙でもあった。

その数か月後、インターナショナル・プリンセス王座を獲得。プロレスをまったく知らなかったアイドル志望の少女がついにシングルのチャンピオンになった。デビューから約5年が経とうとしていたが、そのプロセスは彼女がファンから真のプロレスラーとして評価されるためには必要だったのかもしれない。

彼女の得意技はジャイアントスイング。もはや業界屈指の使い手といっても過言ではないだろう。特に怪力を活かしてふたり同時にブン回すド派手なアクションは、インパクト、説得力ともに絶大である(初見の方は歌のコーナーとのギャップでさらに驚愕)。

「自分にあんなにパワーがあるなんて、プロレスラーになっていなかったら、一生、気がつかなったと思います(笑)。ひとつ夢があって、私、加藤浩次さんをジャイアントスイングで回してみたいんですよ! 以前、めちゃイケで加藤さんがさっしーさん(指原莉乃)とかAKB48のメンバーを回していたじゃないですか? アイドルだったら、私も回されたいと思うんでしょうけど、プロレスラーもやっている私にしかできないですよね、加藤さんをジャイアントスイングでブン回すって。あとチャンスがあれば、ももクロのあーりん(佐々木彩夏)さんも回したいです」

アイドルとプロレスを両立しているからこそできるスケールの大きなチャレンジ。2023年、それは世界に向けて展開されようとしている(3回目につづく)。

【後編はこちら】アプガ(プロレス)渡辺未詩がSKE48荒井優希のプロレス参入を語る「正直、焦りもあった」
AUTHOR

小島 和宏


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