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UPDATE|2023/03/05

芸能界を離れて清掃業へ、カラテカ・入江「芸人でもビジネスでも“次の一手”が大事」

入江慎也 撮影/武田敏将

19年に吉本興業を契約解除になったお笑いコンビ・カラテカの入江慎也が、今年2月1日に著書『信用』(新潮社刊)を上梓した。どん底の時期から、清掃会社を立ち上げ社長になるまでに何があったのかを赤裸々につづった本書は、どのようにして完成したのか。そして入江の現在は――。本人が包み隠さず語ってくれた。(前後編の前編)

【写真】芸能界を離れて清掃業へ、カラテカ・入江

騒動の直後から、「今の気持ちを本にしませんか」というお話は、いろんな所から来ていたんです。でも当然ですが、当時はまったくそんな気にはなれなくて。そんな中で、以前に僕の本を出してくださっていた新潮社さんの方から、オファーではなく「大丈夫ですか?」というふうに連絡をもらったんです。「いつか状況が許せば、何か形にできたらいいですね」と励ましてもらって。それ以降、バイトで入った清掃会社でのこととか、芸人の先輩たちとの話を、なんとなく覚え書きするようになったんです。

その後、仕事のノウハウを覚えて独立して、僕が社長の清掃会社「ピカピカ」を立ち上げました。頑張れる新しい場所が出来て、社員も来てくれた。そこで初めて、僕と同じように「もう一度違うことにチャレンジしてみよう」と思う人がいたら、少しでもヒントになったりするかもしれない。だったらやってみてもいいのかな、と思って少しずつ書き始めたんです。

ありがたいことにピカピカは、これまで働いてくれた社員が独立したりして、現在で全国に11店舗展開しています。直営ではなく、フランチャイズです。今はピカピカをどれだけ大きくするか、というのが僕の目標です。でもつい最近、それが本当に難しいと痛感させられることがあって。

清掃会社にとって12月は稼ぎ時。僕も去年末は、休みなく現場に出て、会社としても過去最高売り上げを叩き出したんですが、それでも予想したよりも利益は出なかった。今のピカピカには正社員が4人いて、自社だけでなく大手からの下請け業務もやっています。でも、この規模、この方法でやってる限り、これ以上会社として伸びないんじゃないかと。頭打ちになったことを実感したんです。

僕は芸人時代、「友達5000人」という、いわゆる有名人やアスリートの方たちとのコネクションをウリにしていましたが、だんだんとそれが飽きられ始めて、「後輩力」という新しいキャラを打ち出しました。結局、芸人でもビジネスでも「次の一手」を考えなければいけないのは一緒なんだな、と。


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