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UPDATE|2023/03/05

芸能界を離れて清掃業へ、カラテカ・入江「芸人でもビジネスでも“次の一手”が大事」

入江慎也 撮影/武田敏将



それもあって、今年から「スポンサー制度」という新しい試みを導入しました。僕がこういう取材を受けたり、あるいは講演させていただいたりするときには、企業のロゴが入った自社ユニフォームを着ているんです。清掃を頼んでいただいている企業のものが多いですけれど、その会社の社員さんからも好評で。ほかにも、掃除用の洗剤をプロデュースしたり、エアコンのフィルターの防カビ加工会社とコラボしたりしています。

あと大きな変化としては、会社として、営業活動に力をいれていくことにして、今年から僕が現場で清掃する回数を徐々に減らしていることですね。会社を立ち上げて約3年間、ずっと現場でやって来て、僕自身、社長自ら現場で汗を流して働く、というのが正しい、と思ってやってきました。ただ、いろんな方と経営について話をしたとき、「そういう会社は大きくならない」という意見をいただくことも多くて。

もちろん、会社として成長するには僕を含め社員全体の清掃技術の向上は必要だし、現状どうしても回らなくて週3くらいは現場に行くんですが、それも結局お客さんがいなければ話になりません。ピカピカのお客さんは、僕に会いたくて頼んでくれる方が多い。でも、全ての現場に僕が行けるわけではないんです。仕事を始める前のあいさつだけでも顔を出せればいいけど、それもなかなか難しい。世間の方から「なんだ入江は。さぼっているのか」と思われても、社長として、会社のために今できる最善は、営業活動なんじゃないかなと。

今は清掃業界も変わってきていて、例えば若い女性の社員さんが集客のためのインフルエンサーになっている会社もあるんです。インスタグラムやTik TokなんかのSNSでゴミ屋敷を清掃していたりして、その動画が何万回、何十万回と再生される。その人個人にお客さんが付くんですよ。今はまだフォロワー数も少ないですが、うちの会社でも社員はみんなSNSをやってもらうようにして。今はそんなふうに、いろいろ試行錯誤する毎日ですね。

【後編はこちら】現在は清掃業社長、カラテカ・入江「正直、芸人への未練はめちゃくちゃあります」

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