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UPDATE|2023/06/03

初監督マイケル・B・ジョーダンの日本アニメ愛にも注目『クリード 過去の逆襲』

(C)2023 Metro-Goldwyn-Mayer Pictures Inc. All rights reserved.

「クリード」シリーズの最新作『クリード 過去の逆襲』が5月26日から公開中だ。

【写真】『クリード 過去の逆襲』場面写真【5点】

もともとロッキーが若手を育成するといったコンセプトは『ロッキー・ザ・ファイナル』(2006)の当初のコンセプトとして実現するはずだったが、結局のところシルヴェスター・スタローンが自らロッキーとして闘うという内容に切り替わったことで無かったことになってしまった。しかし、それとは別に「ロッキー」シリーズのサーガというかたちで誕生したのが『クリード チャンプを継ぐ男』(2015)からなる「クリード」シリーズである。

今作は主演のマイケル・B・ジョーダン自ら監督を務めた、初監督作品ということで、マイケルの映画作家としての技量も試されることとなった。ロッキーと父アポロの意思を継いできた「クリード」シリーズだが、メタ的にも主演が自ら監督を務めるという、本家「ロッキー」シリーズと同じ道を辿ることになったわけだが、「ロッキー」シリーズは最低映画を決めるゴールデン・ラズベリー賞ことラジー賞の常連となってしまっていただけに、そこは受け継ぎたくないといったところだろう。

マイケルは、今作のプロモーションとして来日した際にも「はじめの一歩」の聖地巡礼をするなど、日本のアニメや漫画が好きなことで知られており、念願叶って制作された短編アニメも一部劇場で本編と合わせて上映されている点にも注目してもらいたい。

そんな日本のアニメ愛というのは、作中にも活かされていて、冒頭に登場するアドニスの少年時代の部屋には、ガンダムやNARUTOといった、日本のアニメや漫画のポスターが貼られている。そういったお遊び的なものだけではなく、作品の中にも色濃く出ていて、試合中の演出として「はじめの一歩」のシーンが参考にされているほどだ。

前作『クリード 炎の宿敵』(2018)で、父を死に追いやったドラコの息子ヴィクターと闘ったことで、精神的にもより成長したアドニス。現役を退き、かつてのロッキーのように若手を育成するなど、第一線からは離れていた。

ところがジョナサン・メジャース演じるデイムが刑務所から出所してきたことから事態は一変する。今作の一番の見所ともいえるのがこのデイムが、何を考えているのかがわからないような表情を常に浮かべていて、まるでいつ爆発するかわからないタイマーの付いていない時限爆弾のようで独特の恐ろしさを持っているところだ。


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