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UPDATE|2023/06/05

工藤遥「女優になれたのはある脚本家さんのおかげ」『テイオーの休日』出演で語る自身の”リアル”

工藤遥『テイオーの休日』

6月3日(土)より放送されている船越英一郎主演のドラマ『テイオーの長い休日』。第2話には、工藤遥がゲスト出演し、船越英一郎演じる熱護大五郎に振り回される新人脚本家役を演じる。今回、リアルなドラマ業界を描く今作にちなみ、工藤の”リアル”に迫った。

【写真】船越英一郎と共に緊張感あるシーンを作り上げる工藤遥【7点】

土ドラ『テイオーの長い休日』は、仕事がなくなった“2時間ドラマの帝王”が、ある事情を抱えた“女性マネージャー”と共に人生のリベンジに奔走するヒューマンコメディ。

第一話では、偏屈で傲慢で傍若無人、でも仕事がなくて崖っぷちな主人公・熱護大五郎が、熱護のマネージメントをすることになった元敏腕マネージャー・吉田ゆかり(戸田菜穂)が抱える問題に気付き、熱護なりのやり方でその悩みを解決する物語が描かれた。

今までのドラマにない奇想天外な展開に、SNSでは「面白すぎる!」「よくOKだしたな」「船越さんをうまく使っている感がすごくある」などの声が寄せられた。さらには「熱護大五郎の語る言葉は、悲しいくらい古臭いけど、心に響くものばかり」とのコメントも。

こうした反響が寄せられる理由の1つは、コメディにもかかわらずリアルなドラマ業界を描いた骨太な台本にある。制作陣によれば、これまでの制作の過程で自分たちが受けた傷や痛み、後悔をリアルに描き切ることにも挑戦しているという。それにちなみ、今週の第2話で熱護に振り回される新人脚本家役でゲスト出演する女優・工藤遥に、工藤のリアルを聞いてみた。

第2話で新人脚本家・柏木美遊を演じる、工藤遥。アイドルとして活動後、2018年に女優に転身。その後の活躍は目覚ましい。今回、『テイオーの長い休日』で、新人脚本家の役に起用されたことを知って、工藤はある因縁のようなものを感じたと打ち明ける。

「私が初めて舞台に立ったのは小学5年生くらいだったんです。その初舞台の脚本家さんが、約7年後…私が高校生になった頃、再会した時に、長文のお手紙をくださったんです。私たちのステージの千秋楽のときで、そこに書いてあったのは『私は工藤さんが主演する映像作品を書きたい!』という内容でした」

工藤はその手紙を見た瞬間に、「今、このタイミングだな」と感じたという。

「アイドルを卒業して役者になりたい、という気持ちはすでにあったので、そのお手紙に思いっきり背中を押していただきました。お手紙を読んでから間もなく、役者への転向を決めました」と明かす。まさに、人生の大きなターニングポイントだ。

「同じドラマ業界でも、ADさんとか、新人マネージャーの方とかでなく、ピンポイントで『脚本家』役だったということが、今回の作品との“ご縁”だとしか思えない状態です。しかも、私の契機となってくれたその方は、女性の脚本家ので、見事に重なっています。本当に不思議な気持ちです。その女性脚本家の方のおかげで、いま自分がここにいられる気がしますね」

「私が演じさせていただく役は、新人の脚本家です。新人という立場もあり、芸能界においてはまだ根強い『年齢の若さの壁』などのおかげで、自分の書きたいものをなかなか書かせてもらえず、くすぶってしまっている、なかばあきらめてしまっている女性なんです。

この役の設定やセリフも、実際の脚本家さんが書いているわけですが、そこには、よりいっそう、脚本家の方の『リアルな心の声』が聞こえるような印象を感じました。そういうセリフが多かったり、そのものずばりな状況、シチュエーションが多かったりして…。

私たち役者は、脚本家さんと直接お会いしてお話しする機会はあまりなくて、“台本に書かれた文字だけ”を通じて、まるでラブレターを読むような気持ちでその思いを推し量る感じなんですけど、こんなに“会話ができる脚本”に出会えたことは、すごくうれしく思いました。

今までの台本とは印象が違いましたね。これまでも、俳優をテーマにした作品はあったと思いますが、今回は俳優の枠を飛び越えて『ドラマ制作の裏側』をさらけ出していて、ここまで見せてしまっていいのかなと思うくらいに見せている作品だなと思っています。

そんな作品で、シリーズが始まってすぐの回のゲストに出させていただけることはとても光栄ですしベテランテレビ業界人を相手に、新人脚本家が必死に『自分の守り抜きたいものを守っていく』という姿は、同世代の方や、そうした時期を経験した方々も含めて、皆さんに刺さるのではないかと思っています」


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