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UPDATE|2023/06/15

これぞJ-POPの現在地、日本音楽シーンの新時代を切り拓く「Gacha Pop」とは何か

Spotifyの新プレイリスト「Gacha Pop」

今や日本の音楽シーンは、ストリーミングサービス全盛の時代。今年5月に突如Spotifyが発表した、「Gacha Pop」という名の新しいプレイリストが日本の音楽ファンの間で話題となっている。プレイリストにはYOASOBIや藤井風といった日本のヒットメーカーの楽曲がズラリと並んでいるが、我々の知る「J-Pop」と一体何が違うのだろうか。今回はその秘密を探っていこう。

【関連写真】累計再生回数は4億回を突破、Ado『うっせぇわ』ジャケット写真

「Gacha Pop」の実態を語る前に、まず注目したいのがストリーミングサービスにおけるプレイリストの重要性だ。

先述した通り、今や多くの人がストリーミングで流れてくる音楽を聴いている時代。そのため楽曲のヒットにはプラットフォームのレコメンドが必要不可欠となり、Spotifyが発信する公式プレイリスト「Today’s Top Hits」に選ばれることは、現代においてヒットソングの絶対条件とも言われている。

つまり公式のプレイリストは単なる曲の寄せ集めという意味を超え、一種の巨大マーケティングと言えるものになっているのだ。

そして近年、YOASOBIや藤井風、Ado、米津玄師といった日本のアーティストは、国内外問わずストリーミングサービス上で大きく再生数を伸ばしている。

例えば昨年の「第73回NHK紅白歌合戦」でも披露された藤井風の『死ぬのがいいわ』は、Spotifyの様々なプレイリストに取り上げられ、2022年に世界中で大ヒットした楽曲だ。

アジアとヨーロッパを含む23の国と地域でバイラルチャート1位を獲得し、月間リスナー数1,000万人を突破するなど世界的に注目を集めている。

こうした中、彼らのような新世代の日本のミュージシャンを「J-Pop」というローカルなジャンルで捉えるのは極めて難しい。海外市場に向けた新たなジャンルが必要なのではないかと、日本の音楽関係者の間でも度々議論されていた。

そこに現れたのが「Gacha Pop」というSpotifyの公式プレイリストだったのだ。


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