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UPDATE|2023/06/15

これぞJ-POPの現在地、日本音楽シーンの新時代を切り拓く「Gacha Pop」とは何か

Spotifyの新プレイリスト「Gacha Pop」



カバーアートにAdoを起用し、プレイリストの説明には「What pops out!? Roll the gacha and find your Neo J-Pop treasure. (何が出るかな? ガチャを回して新しいJ-Popの宝を見つけよう)」とガチャガチャのイメージを想起させる文が添えられている。今までのJ-Pop観とは一線を画すように、イメージはポップでどこか子供っぽい。

また選ばれたアーティストもYOASOBIや藤井風、きゃりーぱみゅぱみゅ、カネコアヤノ、星野源など、海外で話題になったJ-Popの人気曲が「何でもあり」の様子で集まっている。

ロックからテクノまで様々なジャンルのアーティストがピックされた「Gacha Pop」の特徴を一概に語るのは難しいが、大まかに言えば「非洋楽志向」であることが挙げられるだろう。

そもそもJ-Popは洋楽の影響を受けたメロディ・コード進行・リズムを持つ音楽を、昭和歌謡から区別するために作られた「洋楽志向」的なジャンルだった。

それに対して「Gacha Pop」はフル英語詞の曲がほとんどなく、サウンドも高音域の音数が多い、音節が多い、コード進行が複雑……など、洋楽とは一線を画した特徴のものが多い印象。こうしたサウンド感を「Gacha Pop」とブランディングすることで、グローバル市場に日本の音楽を広めていく入り口にしようという、プラットフォーム側の意図があるのかもしれない。

ちなみに日本の音楽リスナーの間では、「Gacha Pop」のプレイリストに対する批判の声も見受けられる。とはいえ議論の的になっている時点で、数ある目的の1つは達成しているといった見方もできるのではないだろうか。

一方で海外メディアからの反応を調査すると、「Gacha Pop」について言及している記事はほとんど見当たらない。今後、プラットフォームが日本のミュージシャンを海外向けにどう展開させていくのか注視していきたいところだ。

新ジャンルが今後の音楽シーンにどのような影響を及ぼすかは定かでないものの、新しいダイナミズムを形成することは間違いないだろう。「Gacha Pop」がその新たな波となり、日本の音楽が次の世代へと進化していくことを期待したい。

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