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UPDATE|2023/06/23

【新しい学校のリーダーズ】没個性で窮屈な世界と戦っていく“青春日本代表”の爆進力

「THE FIRST TAKE」で披露した『オトナブルー』は2,800万回再生を突破した(YouTubeより)

『オトナブルー』がTikTokで楽曲総再生回数25億回を記録するなど(2023年4月時点)、いま世界中の音楽ファンを虜にしている4人組ダンスボーカルユニット・新しい学校のリーダーズ。19日(月)に放送された『CDTVライブ!ライブ!2時間スペシャル』(TBS)ではその『オトナブルー』をフルサイズで披露し話題を呼んだ。

【写真】東京体育館にて初のアリーナワンマンが決定した「新しい学校のリーダーズ」

白いセーラー服に紺色の膝丈スカート、腕には赤い腕章。彼女たちを知らない人にとっては、いかにも真面目に校則を守っている“優等生グループ”に見えるかもしれない。確かにライブでは「休め、気を付け、礼!」や「起立、気を付け、礼!」などの学校の号令を取り入れることもある。

だが、ひとたびパフォーマンスを始めると、たちまち“優等生”や“真面目”といったレッテルは引き剝がされる。「個性と自由ではみ出していく」というそのコンセプト通り、エネルギッシュなダンスパフォーマンスで観る者を圧倒するのだ。

しかも全曲の振り付けを手掛けているのは彼女たち自身。自称「青春日本代表」、というその名の通り、ステージ上で青春を力いっぱい謳歌しているようにも見えてくる。

彼女たちに大きな注目が集まったのは、今年始めにTikTokで『オトナブルー』がバズったのがきっかけ。思わず真似したくなるサビの“首振りダンス”はもちろんのこと、昭和歌謡が若い世代から再注目を集めていることや、青春を想起させる制服が10代、20代のTikTokユーザーに刺さったという理由もあるだろう。

勢いそのままに4月にはミニアルバム『一時帰国』をリリース。ロックチューンやダンスミュージック、昭和ポップスなど、バラエティ豊かな楽曲が揃う中、注目したいのは前述の『オトナブルー』とともに『Giri Giri』という楽曲が収録されている点だ。

人に真似され、拡散されていったことで新しい学校のリーダーズの名を轟かせた『オトナブルー』に対し、『Giri Giri』には「隣の席の 真似事やめよう」という歌詞が登場する。一見、『オトナブルー』のバズりムーブメントを否定しているように捉えられるかもしれないが、そうではない。それは、彼女たちが投稿する愛あるSNSからも伝わってくる。

例えば、シンガーソングライター・岡崎体育とタッグを組み、ともにTikTokで“首振りダンス”を踊るショート動画を投稿したり、そこにはむしろバズりへの感謝を感じることができるのだ。

バズったことへのありがたさを示しつつも、『オトナブルー』で止まらずにこれからも突き進んでいく。現状に満足せずにこれからも彼女たちの考えるおもしろいものを発信していきたい。コントラストのやや目立つ2曲が入ったミニアルバムからは、そんな力強い決意のようなものを感じた。

この夏は「ROCK IN JAPAN FESTIVAL 2023」や「SUMMER SONIC 2023」などのフェスに参加する新しい学校のリーダーズ。さらにはアメリカやメキシコなどの海外でのライブも予定している。個性と自由ではみ出している彼女たちのライブを、一度体験してみてはいかがだろうか。

【あわせて読む】YouTubeで2千万回再生!世界を“ガニ股”にかける「新しい学校のリーダーズ」の昭和感と現代的戦略

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