青柳碧人氏によるシリーズ累計110万部突破の大人気推理小説をミュージカル化した『浜村渚の計算ノート』が、2023年8月から9月まで東京、福岡、大阪、名古屋の4都市で上演する。数学のことになるとテンションが上がり饒舌になる、数学が大得意な中学二年生の主人公・浜村渚を演じるのは、ミュージカル『レ・ミゼラブル』(2019)ではリトルコゼット、劇団四季『アナと雪の女王』(2021)ではヤングエルサを演じた桑原愛佳。現役中学生の彼女に、本作の見どころやオーディションの様子を聞くと共に、学校での姿やマイブームなど、その人となりにも迫った(前後編の前編)。
【写真】現役中学生の実力派女優・桑原愛佳──まず、桑原さんが思う本作の魅力を聞かせてください。桑原 ミュージカルとミステリーと数学という、今までにない組み合わせがすごく新鮮だと思います。数学が好きな方でもそうでない方でも、すごく楽しめて、引き込まれるような作品になるんじゃないかなと思っています。
──今回の役はオーディションで決まったそうですが、「これまでに受けたことのない形式のオーディションだった」とコメントしていましたね。桑原 今までは台本が事前にあって、課題曲の歌も全員が同じ曲を歌うということが多かったんです。今回は台本とは別に、自分で設定を考えるエチュード(即興劇)もあったのが初めての経験でした。ミュージカル曲じゃなく、ポップスを歌ったことも初めてでした。
──オーディションの現場は緊張しましたか。桑原 緊張はしましたが、一緒に受けた方たちでお互いに励まし合うような現場で、「お疲れ様!」「頑張ってね!」と言い合えたので、少し和らぎました。
──手応えは感じていましたか?桑原 他の方の様子も見れていない状況だったので、手応えは全然わからなかったです。「受かっていたらいいな」「でも難しいかな」とずっと思っていました。その場で発表だったので、決まった時には今までの人生で一番というくらい驚きました。
──稽古はまだ始まっていないということですが(取材は6月中)、原作と台本を読んだ印象はいかがですか。桑原 登場人物の印象が原作そのままで、「この人、こういうこと言いそうだな」というようなセリフもたくさんあって、すごく面白い台本になっていました。